起業するには幾ら準備したらいいの?事業に必要な2種類の費用から考える『起業資金』

女性の起業の基礎知識
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「起業したい!」と思っても、そのためのお金が無ければ実行に移せません。

起業するにはどのくらいのお金が必要なのでしょうか?
初めてのことだから「何に幾らかかるのかさっぱり分からない」という方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、幾つか事例を紹介しながら、起業する際にどのくらいの金額の資金が必要か、その額を明らかにするための方法を解説します。

実際にみんなは幾らの費用で開業しているの?

起業して必要となる資金や費用は、その事業の規模だったり、業種、店舗の有無、設備の有無、従業員の有無などによって大きく異なってきます。

そうは言っても、平均的なところって幾らくらいなの?と思う方のために参考になるのが日本政策金融公庫の「2020年度新規開業実態調査」。

こちらの調査結果によると、開業費用の平均値は989万円となっています。

また、分布で見ると「500万円未満」の割合が43.7%と最も多く、次いで「500万~1,000万円未満」27.3%となっています。

日本政策金融公庫 2020年度新規開業実態調査 より加工

ここ数年の推移を見ると、500万円未満で起業する人の割合が増えている傾向が見て取れます。

少額でも開業できるネットビジネスが増えてきていることや、事務所を設けずにコワーキングスペースやシェアサービスなどを活用することで少ない費用でも開業できる環境が整ってきたことなどが背景にあるのではないでしょうか。

なお、この調査では、開業した業種は「サービス業」が26.4%、「医療・福祉」が16.7%、「飲食店・宿泊業」が14.3%となっています。調査対象が500万未満でも起業しやすい業種が多いことも開業資金の額に反映しているといえるでしょう。

起業のために必要な費用は2種類

では、実際に必要となる起業資金について考えてみたいと思いますが、起業するにあたって準備する費用は「2種類」あります。

それは・・・
事業を始めるための費用(初期費用)事業を続けるための費用(運転資金)です。

以下に詳しく説明しますね。

【初期費用】事業を始めるための費用

起業して事業をスタートする際に必要となるのが「初期費用」です。
「初期投資」とか「開業資金」などとも言われるもので、原則、始める際に一度だけかかる費用を指します。

例えば、カフェやエステなど、実際の店舗を借りて営業をする事業であれば、店舗取得費として保証料や敷金、数か月分の家賃、そして店内の内装費用や設備・備品などの購入費用がかかります。

またホームページの開設や、オープンをお知らせするチラシ、そして名刺なども必要ですよね。
さらに、個人事業であれば届出は無料ですが、法人であれば定款の認証や登記に費用がかかります。

以下に事業開始時にかかる初期費用の具体例を挙げますので、自分の開業の際に必要となる項目かどうか、必要となる場合は幾らになるかを考えてみてください。

事業によって必要となる初期費用の項目は異なりますが、いずれの場合でも初期費用は高額になりがちです。

設備や備品などの場合は新品で購入せずに、中古でも良いものは無いか、譲ってもらえるものは無いか、などを検討してみて、できるだけかかる初期費用を抑える工夫が必要になります。

【運転資金】事業を続けるための費用

事業を始めてから日々かかる費用が「運転資金」です。
「ランニングコスト」と呼ばれることもあります。

具体的には、商品や材料の仕入代金だったり、月々の家賃、水道光熱費、交通費や通信費(電話代・ネット回線)などです。もし、スタッフを採用するのであれば人件費などもかかります。

以下に運転資金として月々かかる費用の具体例を挙げます。

こちらも、自分のビジネスに関係する項目と不要な費用があると思いますので、検討してみてください。

なお、必要な項目を洗い出したら、それぞれ1か月に幾らくらい必要かを考えてみましょう。

通常であれば、運転資金は売上金額で賄えるようになりますが、起業当初は売り上げが思ったより伸びないこともありますし、何と言っても費用を払うタイミングと売上金が入金されるタイミングが異なることが多々あります。

費用(経費)は先払いの反面、売上は納品して請求後の翌月末にならないと入ってこない、なんてのはビジネスではよくあることです。

ですから「運転資金の3か月分」は確保しておくようにしましょう。

2種類の費用の合計が起業に必要なお金

起業に必要となる2種類の費用について説明しましたが、起業するにあたって必要となるお金の額は以下のようになります。

起業に必要となるお金=【初期費用】+【運転資金3か月分】

業種や業態などによってその額はまちまちですから、自分の場合は幾らになるのかを計算してみて、準備を進めましょう。

開業時にかかる費用の事例紹介

上でも書いたように、開業にかかる費用は店舗の有無や業種、スタッフの有無などで大きく異なります。

必要な項目は分かったとしても、実際にかかる金額のイメージが湧かない方もいるかと思うので、女性の起業に多い業種で幾つか事例をご紹介したいと思います。

いずれも初期費用+運転資金3か月の金額を開業費用として記載していますが、あくまでも目安となりますのでご了承ください。

ネイルサロン(自宅サロン) 約30万円

自宅の一室を「おうちサロン(プライベートサロン)」としてひとりで開業する場合、物件取得や内装工事などが不要となるうえ、広告宣伝などもSNS中心で行うことで費用を抑えることができます。

<初期費用 11万円>
・施術用の家具・機材(デスク・椅子・棚・ライト・マシン等) ・・・10万円
・ネイル用品代(ジェル・ストーン・ファイル・エタノール等) ・・・15万円
・保険加入 ・・・1万円

<運転資金 1か月 5万円>
・水道光熱費 ・・・5千円
・ネイル用品 ・・・2万円
・消耗品、備品 ・・・1万円
・通信費 ・・・5千円
・研修費 ・・・1万円

ネイル以外でも自宅サロンを開く方、お家でお教室をされる方などはほぼ同様の内容・項目が必要になりますので参考にしてみてください。

コンサルタント・カウンセラー・講師(コワーキングスペース利用) 約70万円

これまでの経験やスキルを活かして、コンサルタントやカウンセラー、講師などで起業する女性も増えています。この手の業種は、設備投資などが不要で、身体ひとつあればお仕事ができるのが特徴です。

自宅での開業も可能ですが、クライアントとの打ち合わせや、カウンセリング等での対応のための場所が必要となります。ただ、固定のオフィスを構えると物件取得費がかかるうえ、オフィスの利用時間は少ないので、起業当初はコワーキングスペースやシェアオフィスなどを使用して初期費用を抑えると良いでしょう。

<初期費用 40万円>
・パソコン・周辺機器 ・・・20万円
・ホームページ制作 ・・・15万円
・パンフレット・名刺 ・・・5万円

<運転費用 1か月 10万円>
・コワーキングスペース利用料 ・・・3万円
・交通費 ・・・2万円
・会議費・接待交際費 ・・・3万円
・研修・図書資料費 ・・・2万円

パソコン等の事務機器は既にあるものを利用したり、ホームページも自作するなどで初期費用は押さえることが可能です。

アロマ・リラクゼーションサロン(賃貸マンション物件) 約150万円

アロマセラピーやリフレ、整体、カイロプラクティックなどリラクゼーションサロンを賃貸物件で開業する場合、サロンの広さ場所、そしてスタッフの有無によって必要な費用額が大きく異なってきます。

最近は、テナントよりも規模が小さい、マンションなどの賃貸物件(※)をサロンとして利用する方が増えています。路面店などに比べて集客力が弱いものの、プライベートサロンのような空間の演出ができるうえ、テナントよりも賃貸料が安く、設備を揃えるだけで内装工事を行わずに済むことも多いので、固定客がいる方などにとっては魅力です。
※住宅用の賃貸ではなく事業用の賃貸マンションです

なお、10坪程度のサロンを賃貸で行うことを想定し、賃料は10万円、物件取得費は敷金2か月、仲介手数料1か月、前家賃1か月としています。

<初期費用 100万円>
・物件取得費 ・・・40万円
・施術用設備・備品 ・・・50万円
・広告宣伝費(ホームページ・フライヤー制作) ・・・10万円

<運転資金 1か月 17万円>
・家賃 ・・・10万円
・水道光熱費 ・・・2万円
・消耗品・備品 ・・・3万円
・広告費 ・・・2万円

事業資金にプラスして「自分の生活費」も見込んで準備しよう

起業するための費用を考える場合、事業を始めるための初期費用事業を続けるための運転資金をそれぞれ計算して、必要額を算出しましょう。

あと、注意が必要なのが「自分の生活費」です。

会社員で働いていた時は、自動的に定額のお給料が振り込まれていたかもしれませんが、起業したら業績に応じて収入が変化します。

もちろん、事業と個人の資金をきちんと分けておければ良いのですが、個人事業で開業した場合は特に、事業のお金と個人のお金が一緒になりがちです。

そして、事業用の費用が想定以上にかかった時や売り上げが思った以上に伸びなかった場合、どうしても生活費から捻出しなければならないこともあるでしょう。

そこで、2種類の起業のための費用とは別に、生活費として必要な金額をあらかじめ計算して、その分も含めて準備しておくことをお勧めします。

スタートしてから慌てないためにも、事前に充分に検討して、起業に必要な資金の額を計算してみてください。

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