全国では様々なビジネスプランコンテストが開催されています。
学生を対象にしたものや、これから起業を目指す方、既に事業を始めていて資金調達をしたい人、そして女性が対象のビジネスプランコンテストもあります。
ビジネスプランコンテストには賞金などの直接的な特典のほかに、参加をきっかけに自身の事業を多くの方に知ってもらるなど様々なメリットがあります。
でも、ビジネスプランコンテストなんて私にはハードルが高いです・・・
ビジネスプランのブラッシュアップにもつながるからチャレンジするだけでも意義がありますよ!
そこで今回は、ビジコンの企画や運営、審査員を務める筆者が、ビジネスプランコンテストの基礎知識から参加のメリット、そして受賞するためのコツなどをご紹介します。
女性を対象としたビジネスプランコンテストもご紹介していますので「我こそは!」と思う方はぜひチャレンジしてみてくださいね!
・これからビジネスプランコンテストにチャレンジしようと思っている方
・ビジネスプランをブラッシュアップしたいと考えている方
・女性を対象としたビジネスプランコンテストについて知りたい方
ビジネスプランコンテストの基礎知識
ビジネスプランコンテストとは、応募者のビジネスプラン(事業計画)について、新規性や成長性、実現可能性などを評価して優劣を競い合うコンテストです。
「ビジコン」と略して呼ばれることも多く、新規のビジネスアイデアや事業を発掘して表彰、支援することを目的に開催され、行政や公的機関、民間の金融機関や企業など様々な団体が主催で行われています。
応募の対象者は起業したばかりの経営者を始めとして家業を継いだ経営者など様々で、対象となる年齢も学生からシニアまでと幅広く実施されています。
どんなビジコンが開催されているの?
全国各地で様々なビジコンが開催されていますが、全国規模のものから対象地域が限定された地域密着型のものまで幅広く開催されています。
どのようなビジコンが開催されているかは独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net内に掲載されていますので、チェックしてみると良いでしょう。
こちらには、主に行政や公的機関が主催のビジコンが掲載されています!
これ以外にも検索サイトで「ビジネスプランコンテスト」と調べると、様々なコンテストが行われているのが分かると思います。
ビジコンに応募・出場するメリットは?
ビジネスプランコンテストに応募・出場するメリットには以下のようなものがあります。
【ビジコン応募のメリット】
・賞金や副賞などの特典を得られる
・ビジネスプランをブラッシュアップできる
・第三者からの客観的な評価を受けられる
・人脈を広げることができる
・PRができる
・プレゼンテーション能力が高まる
それぞれのメリットについて解説します。
賞金や副賞などの特典を得られる
多くのビジネスプランコンテストでは優秀なプラン・発表者に対して賞金や副賞などの特典を用意しています。
後ほどご紹介するDBJ女性新ビジネスコンペティションのように1,000万円という高額な賞金が用意されているビジコンもありますし、オフィスを無償で提供したり、専門家によるビジネスサポートなどの副賞が提供されていたりします。
受賞しなければ得られない特典ですが、多くの人にとって賞金・副賞はビジコン応募へのインセンティブとなっています。
ビジネスプランをブラッシュアップできる
「自身のビジネスプランをブラッシュアップできる」というのが、受賞しなくても得られるビジコン最大のメリットです。
ほとんどのビジコンは「新規性」や「市場性」、「実現可能性」、「収益性」などの項目に沿って応募用紙を書かなければなりません。
応募書類作成を通じて自身のビジネスを見直し、事業計画そのものをブラッシュアップすることができるのです。
ビジネスのPRができる
ビジコンで入賞すれば、メディアに取り上げられたりすることも多く、広く事業をPRできます。
私も起業当初、ビジコン入賞をきっかけに新聞に取り上げてもらってPRにつながりました!
第三者からの客観的な評価を受けられる
ビジコンでは、経営者や金融機関、有識者などが審査員となってビジネスプランを評価します。
もし審査に落ちたとしたら、あなたのビジネスプランがそうした専門家から客観的に見て未熟だったということです。
また、ビジコンの審査が進むにつれて、審査員から直接フィードバックを受ける機会もあります。
第三者から客観的な評価を受けることで、ビジネスプランがブラッシュアップされて、より良いものになるのがメリットと言えるでしょう。
プレゼンテーション能力が高まる
コンテストでは審査が進むとプレゼンテーションの機会が訪れます。
どんなに素晴らしいビジネスプランであっても、プレゼンテーションでその良さが伝わらなければ審査に通過しません。
そこで「多くの人前で限られた時間内に自身の事業の魅力や特長を分かりやすく説明する」というプレゼンテーションスキルが必要になってきます。
審査当日まで何度も練習を重ね、実際に多くの人前でプレゼンをする経験は、あなたのプレゼン能力を高めてくれるはずです。
このプレゼンのスキルは実際にビジネスを行っていくうえでも必ず役立ちます。
人脈を広げることができる
ビジコンに参加すると様々な人と知り合う機会があります。
応募者は、あなたと同じように新たに事業を立ち上げたばかりであったり、立ち上げを目指している人で、そうした人と交流ができます。
また審査員の方や主催者、協賛企業といった関係者と知り合うこともできるかもしれません。
多くのビジコンでは交流会・懇親会なども併せて開催されるので、そうした場に積極的に参加してみてビジネスの人脈を広げてみましょう。
ビジコンの審査・評価プロセス
多くのビジコンでは【①書類審査】【②面接審査】【③プレゼンテーション審査】という3つの審査を経て評価が行われます。
書類審査
どのようなビジコンでも、一番最初に行われるのが書類審査です。それぞれのビジコンが指定する書類(ビジネスプラン)を作成し、応募することから始まります。
しかし、応募書類はただ書けば良い、というものではありません。
ビジネスの特長や強み、魅力を整理して、ビジコンの審査項目や評価項目に沿って書類を作成する必要があります。
規模が大きいビジコンの場合は、数百~数千の応募があるので書類審査の通過は非常に狭き門となります。
数多くの応募書類のなかから審査員の目に留まるような書類を作り上げるのは大変な作業ですが、自身のビジネスを見直すきっかけになる大事なプロセスです。
面接審査
書類審査が通過すると、通常は審査員による面接審査が行われます。
(面接審査は次に紹介するプレゼンテーション審査と兼ねている場合もあります)
面接審査では、あなたからのビジネスプランの説明に加え、審査員からの質疑応答が大きなポイントとなります。
また、あなたのビジネスプラン実現に対する熱意や人柄なども重要な評価項目です。
プレゼンテーション審査
プレゼンテーション審査では、ビジネスプランを決められた時間内にアピールして審査員やオーディエンスから評価を受けます。
多くは10分程度といった短い時間で事業を説明しなければなりません。
その短い時間内でいかに事業の特長を分かりやすくきちんとアピールできるかが肝になってきます。
普段多くの人前で話す機会が少ない人やプレゼンテーションに慣れていない場合は、事前の練習が重要になります。
ビジコンで入賞を狙うには?
せっかくビジコンに応募するのであれば、やはり入賞・受賞を狙いたいですよね!
ビジコンの審査員やビジコン応募者のサポートを多数経験している筆者が、入賞するコツをお伝えします!
応募要項・審査項目を熟読して自分に合ったビジコンを選ぶ
ビジコンに入賞したいのであれば、まずは応募要項や審査項目をじっくり読み込みましょう。
応募要項や審査項目を読むと、そのビジコンがどんな受賞者を選ぼうとしているのかが分かります。
また、ほとんどのビジコンでは応募要項などのページに過去の受賞者・ビジネスプランが紹介されています。
それも必ず目を通して、ビジコンの応募者レベルや受賞者の傾向を把握しましょう。
ビジコン初心者さんの場合、いきなりレベルの高い全国規模のビジコンにチャレンジするより、地域限定・ジャンル限定された小規模なビジコンに応募して、流れや雰囲気を掴んでみることが必要です。
自分のレベルに合った受賞しやすいビジコンを選ぶことで、グッと入賞の確率が高まります!
大学受験で自分の偏差値に見合う大学を受けるのと同じで、ビジコンも身の丈にあったものを選んでチャレンジするのが受賞のコツです。
勉強会や説明会に参加する
入賞を狙うのであれば、そのビジコンのことを熟知して攻略法を見つけることが大切になります。
多くのビジコンでは募集開始前や募集中に説明会や勉強会などが開かれます。
そうした会では、主催者がビジコンについて解説をしてくれますし、応募書類作成のサポートをしてくれることもあります。
しかも、それらは基本的に無料で行われますから、それを利用しない手はありません。
客観的に評価してくれる仲間をみつける
ビジコンの審査員をしていると「いかにも自分ひとりで作成しました」という応募書類をよく見かけます。
そうした書類では「いかに自分のビジネスが素晴らしいか」が延々と書かれているですが、客観性に乏しかったり、既存のビジネスで既に行われている内容だったり、説明不足であったりします。
そうした自分ひとりで書きあげて誰のチェックも通さずにそのまま応募した書類は多くの場合、書類審査で落とされてしまいます。
そこで必要なのが、あなたが作成する書類を客観的に評価してくれる仲間です。
部外者のほうが、自分では気づきにくい強みや魅力、競合との差別化などを客観的に評価したりみつけてくれるはずです。
もし周囲にそういう人が見つからない場合は、行政や支援機関などを頼ってみるのも一つの手です。
第三者の視点が入って、あなたのビジネスの特徴や魅力を整理して応募書類に落とし込むことができたら、入賞に一歩近づくはずです。
ビジネスプランを客観的に評価してもらうためにコンサルタントを活用するのもアリ!
1回落選しても諦めない
応募して初回でいきなり受賞する人はほとんどいません。
そして規模が大きいビジコンであればあるほど、入賞者は他のビジコンの受賞経験者で占められています。
ビジコンの審査項目は「新規性」や「独自性」「実現可能性」など共通していることが多いため、応募書類を1回作れば、ある程度他のビジコンにも使い回しが効きます。
そのため一度ビジコンで受賞した方が、そのビジネスプランに手を加えて、他のビジコンでも受賞する、ということが多く行われています。
逆に言えば、1回落選したとしてもそこで諦めずに、ビジネスプランをブラッシュアップして、翌年に応募したり他のビジコンに応募することで入賞の可能性が高まるのです。
ビジネスプランをブラッシュアップし続けて、あなたに合うビジコンを見つけることができたら、受賞も夢ではありません。
女性におすすめのビジネスプランコンテスト3選
全国各地で様々なビジコンが開催されていますが、対象者が女性限定のもの3つご紹介します。
女性起業チャレンジ大賞
一般社団法人日本起業アイディア実現プロジェクトが主催する女性の起業家育成を支援するビジコンで、新たに起業する女性もしくは、既に起業をしていて新しいアイディアで事業を拡大する女性を募集しています。
賞金はグランプリ(最大5名)が200万円で、特別優秀賞(若干名)が50万円です。
DBJ女性新ビジネスコンペティション
株式会社日本政策投資銀行が主催する女性を対象としたビジコンです。
既に起業されている方を対象としていて、最優秀賞には最大1,000万円と国内では最大級の賞金が提供されます。
高額な賞金を目当てに全国からかなりの数の応募があるビジコンです!
ウーマンズビジネスグランプリin品川
品川区・品川区立武蔵小山創業支援センターなどが主催する起業家と起業を目指す女性向けビジコンです。
賞金はグランプリが30万円で、全国からの応募が可能です。
まとめ:賞金だけでなく様々なものが得られるのがビジコン
ビジネスプランコンテストは女性の起業家にとって、様々なチャンスが広がる機会です。
「私にはまだ早い」と躊躇する方も多いかもしれませんが、アイデア段階で応募できるビジコンもあるので、まずはチャレンジしてみることをお勧めします。
ただし初心者さんは賞金などを目当てにするのではなく、ビジネスプランのブラッシュアップや人的ネットワークを広げるなどの他のメリットに目を向けてみましょう。
入賞しなくても得られるものが多いビジコンですから、その経験をフルに活かして事業拡大のチャンスとしましょう。
PLUS-Yではビジネスプランコンテスト応募のサポートもしています。
ビジコンの応募書類作成に関するアドバイスや、プレゼンテーションの原稿づくり、プレゼンのアドバイスなどを行います。
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