「起業したら良いメンターを見つけるといい」というような話を聞いたことがあるかと思います。
『メンター』とは、日本語で言ったら『お師匠さん』みたいなイメージでしょうか。
仕事はもちろん、プライベートでも尊敬して信頼でき、頼って相談できる人を指します。
最近は企業でも『メンター制度』を設けて、新卒の社員に対して数年先輩のメンターとなる例もあるようです。
では、女性が起業した時や起業後、メンターは必要なのでしょうか?
そこで今回は、この『メンター』について考えてみたいと思います。
メンターは女性の起業に必要な存在
起業する女性、特に起業して間もない頃にはメンターは必要だと私は思います。
その理由として、メンターがいることで
- 起業後に事業を軌道に乗せるのがスムーズになる
- メンタル面でサポートを得られる
からです。
起業後に事業を軌道に乗せるのがスムーズになる
女性の場合、ビジネスの経験が浅い人が多く、経営やマネジメントの経験が無く起業する人も多いのですが、それって泳ぎ方も知らず海図の読み方も分からないまま、海の真ん中に飛び込むようなものです。
実践を通じて、ビジネスという海の泳ぎ方を少しずつ身に付けていくというのも良いのですが、上手な泳ぎ方やどっちの方向に進んでいくべきかを教えてくれる人がいたら、目的地まで早く到達できる可能性が高まります。
メンタル面でサポートを得られる
よく「経営者は孤独だ」と言われるように、事業を立ち上げたら、様々な判断をして意思決定をしなければなりませんし、その結果や責任は全て経営者が負わなくてはなりません。
売上のこと、お客様のこと、取引先のこと、お金のこと、将来のこと・・・すべてに一人で向き合っていくため孤独だと言われるのです。
実際、私の場合も、以前の会社では役職のある立場で働いていましたし、経営学を大学院で学んだりと、どちらかと言えば一般的な女性よりも経営やマネジメントを身に付けていたと思います。それでも実際に起業したら分からないこと、迷うこと、悩むことのオンパレードでした。
そして悩んだ時や困った時、そして凹んだ時に、親身にアドバイスをしてくださったり、心の支えとなってくれるメンターがいたからこそ、今まで事業を続けられたと言っても過言ではありません。
仲の良いママ友や学生時代からの親友がいたとしても、経営をしたことが無い人には経営者としての苦労や気持ちというのは、なかなか分かってもらえないものです。
経営者としての先輩であるメンターからの助言は、新米経営者にとって大きな支えになるのです。
メンターの探し方
経営者としての成長を促し、支えとなるメンター。
あなたも「誰かにメンターになって欲しい!」と思いますよね。
ではメンターはどのように探したらよいのでしょうか?
「この人にメンターになってもらいたい」と思う意中の人がいる場合は良いのですが、そうした人が居ない場合は、メンターになって欲しい人のイメージを具体的に挙げて、周囲の人に「こういう人って知り合いにいませんか?」と聞いてみましょう。
もし「Aさんがいいよ」とか「Bさんが適切だと思う」といった提案が得られたら、打ち合わせやお食事など、お会いする機会をセッティングしてその方を紹介してもらい、直接会ってお話しをしてみましょう。
その際に、自身が抱えている悩みや課題などを相談してみて、その反応や助言が心に刺さるものであれば、メンターとしてお願いすることを検討しましょう。
なお、会ったその場で話が盛り上がって「この人にお願いしたい!!」と思うかもしれませんが、その場でお願いするのは止めておきましょう。いったん、クールダウンして本当にお願いするべきかどうかを検討する時間を設けたほうが失敗が少ないです。
そして、
直接的に利害関係が無いか、
単に優しい言葉だけでなく、必要な時には厳しく、適切な助言をしてくれるか、
人間として尊敬・信頼できるか
といったことも検討してみましょう。
その結果、「ぜひお願いしたい!」と思ったら改めてお願いをしに伺いましょう。
メンターとのかかわり方
メンターとはどのように関係を持っていったら良いのでしょうか?
メンターとのかかわり方について注意点を2つお伝えします。
依存せずに適度なかかわり方をしよう
メンターはあなたの親でもありませんんし、教師でもありません。
特に「起業」や「ビジネス」というのは自己責任で進めていくものですから、メンターに言われた方法や内容をそのまま受け入れて実行して、失敗したとしてもメンターが悪いのではなく、全てあなたの責任だということを肝に銘じましょう。
そして、1から10まで何でもメンターから教わろうとするのもNGです。
たまに「起業の仕方を教えて下さい」という人がいますが、そういう質問が許されるのは20代の前半、社会に出る前くらいまでです。
学生だったら知らないことをそのまま質問としてぶつけて教わるというのも有りだと思いますが、社会に出たら「何でも教えてもらう」という姿勢は「自分で調べない人」「困った人」として扱われてしまいます。
起業の仕方だって、Googleでちょっと検索したら幾らでも出てきます。さらに起業の本なども世の中にはたくさんあります。そういうものを調べずに「教えて下さい」というのは、質問した相手にも失礼です。
メンターから一方的に教わるだけでの関係性ではなく、自らも成長をして、互いに経営者として意見を言い合えるくらいを目指しましょう。
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)が大切
疎遠の人や、関係性が薄い人、あるいは、全く見ず知らずの人からある日突然連絡があって「相談にのって欲しい」と言われたら「壺でも売りつけられるのかな?」と警戒しますよね?
メンターとメンティも日頃の関係性があってこそ。
メンターになってもらったら、最初は定期的(月に1度とか)に面談を設定して、きちんと現状報告をしつつ助言を受ける機会をつくりましょう。
面談はそのうちに段々と頻度が自然に少なくなってくるかもしれませんが、それはあなたが成長して次のステージに移行した結果でしょう。
でも、そうなったとしても、報告や連絡などは欠かさないことが大切です。
まとめ
最近は大手企業でも制度として導入され始めている「メンター」ですが、起業という世界でも、メンターがいれば、事業を進めて行く時に、非常に役立ちます。
男性の場合、学生の頃から運動系の部活やサークル、そして会社でも、先輩が後輩を教えるという「タテの関係」という文化が定着しているので、経営者同士でも後輩を育てようと目をかけてくれる男性経営者というのは多いように感じます。
一方で女性の場合は「後輩を育てよう」という文化があまり無いようで、コミュニティ作りは得意であっても、後輩はライバルとして扱われがちです。
ですから性別に関係なく、自身が経営者として成長するために学びを得たい人をメンターとして見つけてみると良いでしょう。
事業の成長や課題解決にはコンサルタントも大切となるので、こちらの記事も参考にどうぞ。