起業に向けて「事前に何か勉強をしておこうかな」と思っている方も多いかと思います。

数字が苦手なんですが、簿記とか勉強しておいたほうがいいんでしょうか?

起業前に経営とかマーケティングとか勉強するべきなんでしょうか?
そもそも、起業をする前に「勉強」って必要なのでしょうか?
もし、必要だとしたら、どんな勉強を起業前にしたら良いのでしょうか?

今回は、これから起業を考えている方がお持ちの
・事前に起業の勉強って必要なの?
・起業前にどんな勉強をしたらいいの?
という疑問にお答えします。
起業準備中でどんな勉強をしようかな、と思っている方はぜひ参考にしてくださいね!
起業前の勉強はするべき!
起業するにあたって、事前に勉強をせずに始めることは可能です。
でも、「出来るならしておいた方が良い」というのが私の意見です。
その理由ですが・・・
何事もそうですが、事前に準備をきちんとしておいたほうが失敗する確率が下がるからです。
特に「起業」や「経営」という分野は失敗したり頓挫する人も多いですから、事前の準備や勉強・学習をすることで失敗のリスクを減らすことにつながります。
勉強などの準備をせずに起業をするというのは、地図を持たずに地図の読み方も知らないままに旅に出るようなものです。
目的地は分かっているものの、そこに辿り着くまでの安全で正しいルートを知らなかったりして、迷ったり無駄で遠い道のりを時間をかけて進む旅行になってしまう可能性があります。
もちろん、旅行であれば、地図を持たずに気ままに遠回りだって厭わない、ということもあるでしょう。
でも、これは「起業」であり「経営」、そして「ビジネス」です。ビジネスであるということは、お客様はもちろん取引先など関係者が必ずいる、ということです。
自分ひとりでする旅行ではなく、相手のあることですから、相手に迷惑をかけず、相手に喜んでもらえることを優先しなければなりませんよね。
そういう意味でも、ビジネスに関する勉強をしておくことが求められるのです。
起業前に勉強しておきたい分野は2つ!
私が思う、起業前に勉強すべき分野は「マーケティング」と「会計」の二つ。
「商品・サービスが売れるしくみ」と「お金」のことを知っておくと、起業後の事業展開がスムーズになるからです。
起業前に学んでおきたい「マーケティング」
「マーケティング」というのは様々な定義のある言葉ですが、何も知らない人にとって分かりやすいのは「売れる仕組み」という説明だと思います。
売るための「Selling(セリング=販売)」ではなく、売れるための「Marketing(マーケティング)」です。
もう少し具体的に言うと「誰に」、「何を」、「どのように売る」のかを考えて、「商品やサービス(Product)」や「値段(Price)」、「販売する場所や流通(Place)」、そして「どうやって知ってもらうか(Promotion)」を組み立てる、という4つのPから始まる活動です。
マーケティングとひと口に言っても、その内容は幅広く、奥も深いジャンルですから、勉強しようと思っても、どこからどうやってしたらいいか迷ってしまうかもしれません。
でも勉強することが目的ではなく、起業に役立つためですから、ざっくり知っておく、という程度で良いかと思います。
マーケティングに関してはネットでも様々な情報がありますし、以下に紹介するような軽めの本を1冊買って読んでみて、マーケティングとはどんなものか、何をするのか、というのをまずは理解してみましょう。
そのあとは自分のビジネスで実践しながら仮説検証を繰り返し、深掘りが必要であれば、必要に応じて勉強したら良いと思います。
世界一わかりやすいマーケティングの本 (East Press Business)
起業前に学んでおきたい「会計・財務」
起業して事業を断念せざるを得ない理由の最大の原因が、「売れ行き(売上)が悪くて資金繰りに行き詰まった」というものです。
要するに「お客様がたくさんいる(売上が伸びている)」もしくは「お金がたくさんある」のどちからであれば、事業は継続できるのです。
そして、正確なことを言えば、お金さえふんだんにあれば売り上げが伸びずに赤字が続いても、事業は続けていけます。
昔ながらの古~い商店街の全然お客さんが入っていなくて一見すると潰れそうなお店が潰れずに営業を続けているのは、自宅兼で他の人も雇っていないため家賃や人件費などの費用が抑えられているうえ、年金や不動産収入などがあるからです。(そうした事業のやり方が良いかどうかは別ですが。)
要するに「お金さえあれば経営は続けていける」ということです。
そんな経営のベースとなるお金を学ぶとしたら「会計・財務」という分野です。
マーケティングが経営の表側で、お客様を増やすための学びであるとしたら、会計・財務は、それを支える裏側の分野と言えるかもしれません。
事業を始めると、どうしても「売り上げを伸ばす」「お客様を増やす」ということばかりに目が行きがちで、会計や財務ということは後回しになりがちです。
でも、売上が伸びても減っても資金繰りに行き詰まったら終わりですし、幾ら売り上げを伸ばしても赤字では意味がありません。そうならないためにも、会計や財務の知識は重要になるのです。
本当なら、簿記3級程度の知識があると、とても役に立ちますが、こちらの分野も奥が深いですし、資格を取得することが目的では無いので、以下のような本が参考になるかと思います。
経理以外の人のための日本一やさしくて使える会計の本 (ディスカヴァー携書)
まとめ
起業すると、これまで経験してこなかった新しい事柄がたくさん目の前に現れます。そんな時に、ビジネスや経営の知識があるのと無いのとでは、対応力に差が出ますし、かかる時間なども違ってきます。
特に起業初期はやるべきことがたくさんあるうえ、自分ひとりで何もかもやらなくてはいけませんから、事前に勉強しておくことで、それらをスムーズにこなしていけるようになります。
勉強する分野は、経営に必要となる「マーケティング」と「会計・財務」。
売れる仕組みとお金についての知識を身に付けておけば、事業を始めたあと必ず役立つはずです。
ただし、勉強することが目的ではありませんから、いずれも深い知識は不要です。
何かあった時に「あ、これってあそこに書いてあったな」と思い出せる程度で十分です。
特に専門的な経理や会計の知識などは、それを仕事にするのではない限り不要だということを忘れずにおきましょう。

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