起業した当初は分からないことが多いので、色んな人に相談したり、先輩経営者からアドバイスをもらうことが多いですよね。
でも、アドバイスをもらえばもらうほど、色んな意見に惑わされて、逆に何をしたらいいか迷ったりしていませんか?
私も起業したばかりの女性から「相談にのってください」と言われて、アドバイスを求められることがよくあります。
そんな時には、その人が迷っているや、困っていることについて、どう進んでいったらいいのか、私なりの考えをお伝えします。
でも、よくあるのが、その場では「そうですよね!」ともらったアドバイスに納得しても、後になって他の人から別の意見を聞くと、これまた「そうですよね!」となってしまうパターン。
起業したばかりで善し悪しの判断や、何が自分にとってベストな方法かの判断がつかなかったり、意思決定ができない時に、もっともな理由と共に色んなアドバイスをもらうと、その意見に振り回されてしまいます。
こうした状況に陥らないためには「やらないことを決める」ことが大切です。
今回は、女性が起業するにあたって、なぜ「やらないことを決める」ことが大切なのか、についてお伝えします。
やらないことを決める、とは?

え?「やることを決める」の間違いじゃないんですか?

いいえ、違います。
起業当初はやることが多いので、逆に「やらないことを決める」ことが大切です。
起業した当初はやること(やらなきゃいけないこと)は、放っておいても溢れるほど出てきます。
起業したばかりの女性で「やることが思い浮かばない」「やることが無い」なんて言っている人は、これまで見たことがありません。

・やることがいっぱいありすぎて何からやったら良いかわからない
・やらなきゃいけないことばかりで混乱しちゃう
そんな人ばかりです。
起業を間もなくする予定の方や、 起業したばかりの女性の場合だったら、商品・サービスの作り込みから、ホームページの作成、パンフレットの作成、SNSを開設してスタートしたり、メニューを決めたり、値段を決めたり。
もちろん営業活動もしなくてはいけませんし、拠点となるオフィスや店舗を探したり、一緒に働いてくれるスタッフを募集したり・・・
とにかく起業当初はやらなきゃいけないことが山積みです。そんな時だからこそ「やらないこと」を決める必要があるのです。
なぜ「やらないこと」を決める必要があるの?

起業のスタート期はモチベーションも高くて、やる気に満ち溢れています。
そして、このスタート期にどれだけ適切な行動を素早くできるかによって、その後の進捗や業績に大きな影響を与えます。
だからこそ、限られた時間を無駄にすることなく、やるべき事をすみやかに実行する必要があるのです。
また、起業へのモチベーションはほとんどの場合、最初が最も高くて、その後下がっていきます。
スタート期に正しい行動をして、売上が順調に伸びて行けば、モチベーションもそれほど下がりません。
でも、色々迷ってあれもこれも手を付けて、それでもお客様が増えていかなければモチベーションは下がってしまい、そのうちに「もう止めようか」となってしまいます。
ひとに与えられた時間は一日24時間と誰もが同じ。
その24時間のなかで、事業に費やせる時間は限られています。特に女性で家事や育児などをしながらの起業であれば、なおさら時間は限られます。
しかも女性の起業の多くは一人でスタートする、資金的な余裕も無い小さな起業がほとんどです。
大きな会社と違って、自分で何もかもやらなければいけません。
だからこそ、限られた短い時間を最大限有効に使うためにも、やらないことを決めて、やるべきことに集中しなければいけないのです。
やらないことをどうやって決めるの?

それでは「やらないこと」をどうやって決めたら良いのでしょうか?
まず、「自分が苦手なこと」はやらないようにしましょう。
女性が起業する場合、小さい起業であればあるほど、起業にかけられるお金が少ないので、何もかも自分でやろうとしてしまいます。
代表的な例が「ホームページの制作」。
最近は、“自分で簡単に作れる”と謳っているホームページ制作サービスが増えていますし、ある程度見た目の良いサイトも手軽に素人でも作れるようになっています。
でも、趣味のグループやサークル活動のホームページならまだしも、ビジネス用で、そこからお客様を獲得しようと思うのであれば、ちょっとどうかな?と思います。
もちろん、ホームページ制作やデザインのスキルがある人であれば、問題ありません。
しかし、あなたがパソコンでの作業が「苦手」であったり「ホームページを作るのは初めて」という人であれば、それは「やらないこと」にするべきです。
そして、それは専門家(プロ)に任せましょう。プロに任せて空いた時間は、自分がやるべきこと、自分が強みを発揮できることに時間を使いましょう。
ホームページ作成だけでなく、チラシやパンフレット制作なども同様です。
あと、SNSも要注意です。

ブログ書いて、Facebookやって、インスタやって、ツイッターやって、公式LINEもやって・・・とあれこれやると、それだけでかなり時間を取られてしまいます。
SNSに時間をかけるより、顧客になりそうな人に直接会ってお話ししたほうが、お客様になってくれる確率は高くなるのではないでしょうか?(業種などにもよりますが)
SNSに時間をかけるより、他にやったほうが良いことはありませんか?
「周りがやっているから」
「やったほうが良いってみんなが言うから」
「今どき、SNSはやっとくべきだと思うから」
こんな風に思考停止に陥っていませんか?
自分のビジネスの成功や起業の目標達成に向けて、それが今やるべきことなのかどうか、よく考えてから取り組むようにしましょう。
行動する前に
「それは自分がやるべきことか?」
「それは今やるべきことか?」
と問いかけてみることが大切です。
周りからのアドバイスへの対処法
冒頭の話にもどります。
起業した当初は周りの人が「あれをやったら良いよ」、「これを取り入れると良いよ」と様々なアドバイスをしてくれます。
しかし、それは親身になって言って下さるアドバイスもあれば、思い付きで言った無責任な発言もあるかもしれません。
ですから、アドバイス通りにやってみても上手くいかないこともあるはずです。
アドバイス通りにやってみて上手くいかなかったからといって、その失敗はアドバイスした人のせいではなく、それを実施したあなた自身の責任です。
起業したら自分の行動はどれも自己責任なんです。
起業してからは「あの人がこう言ったから・・・」なんて言い訳は通用しません。
そもそも、自分で自分の行動を自由に決められるのが起業の良さですよね。
会社員など雇われている立場であれば、上司が指示命令をして、その通りに仕事をして、失敗した場合は責任は上司や会社がとってくれます。
でも、起業したら、やる・やらないを決めるのも、やったことの結果への責任はすべて自分が負わなくてはなりません。
自分で自分のやり方を決める。
そして、その行動に責任を持つ。
こうした行動を取れてこそ、起業家としても一人前だと言えるでしょう。
様々な周りの意見は、ありがたく拝聴しておく。
でも、そのアドバイスを「やる」か「やらないか」は自分なりに判断して決めましょう。
周りの意見に振り回されない、しっかりと芯の通った志を持った女性起業家を目指して欲しいと思います。

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