先日、いつもお仕事をお願いしているイラストレーターさんから「引っ越します」と連絡をいただきました。
でも、実は彼女とは直接お会いした事が無く、ネットでのやり取りのみでお仕事が完結するので、引っ越しは全く影響がありません。
こんな風に全国どこに行っても仕事ができるって、羨ましくないですか?
私の夫も以前は転勤族でした。(最近転職して転勤がなくなりました)
私の場合は、結婚当初から夫が単身赴任だっていたので、私が起業しても特に問題無く事業を続けることができました。
でも、旦那さんが転勤するとなった場合、ほとんどの奥さんはついていきますよね。お子さんが小さい場合は特に、旦那さんの転勤先に引っ越す方が多いでしょう。
私のセミナーに参加される方のなかにも「旦那が転勤族なんです」という方がいらっしゃいますが、そのほとんどが「転勤で引っ越すかもしれないから、起業は何年か先にします…」と言います。
このように、転勤のある旦那さんを理由に「起業は無理」と諦めていませんか?
今回は転勤族の夫がいる女性が、起業を諦めずに、全国どこにいっても仕事ができるためにはどうしたらいいか?について考えてみたいと思います。
※転勤族の旦那さんと一緒に引っ越しをする女性が前提です。
そもそも転勤族の妻は起業できるのか?
転勤族の妻であっても、もちろん起業はできます!
でも、ある程度の制約や条件はあります。
原則として、場所を問わないビジネスであれば、いくら引っ越しをしても、事業が継続できるので可能です。
実際に、私の周りにも転勤族の奥様で起業している方が何人もいます。
ネット経由で注文を受けて、会議や打ち合わせはスカイプやZoomで。納品はメールやデータでできるとなれば、仕事の場所は問いませんよね。
場所が固定されてしまうカフェなどの飲食店をやりたい、となるとちょっと難しいですが、そうでなければ転勤族の妻でも起業は可能です。
ぜひ「旦那が転勤族だから」と起業をあきらめずに、出来るかどうかを検討してみましょう。
転勤族の妻の起業のメリット・デメリット
転勤族の妻にとって、起業のメリット・デメリットは何でしょうか?
【メリット】
- 収入が得られる
- 孤独を感じず自己実現ができる
- 煩わしい地域の人間関係から逃れられる
【デメリット】
- お客様などとの対面での関係を築きにくい
- 地域密着型のビジネスができにくい
- 稼げるようになるまでに時間がかかる
では、順番に見ていきましょう。
メリット① 収入が得られる
夫の転勤についていくとなったら、それまで正社員で働いていたとしても、辞めざるを得ないことがほとんどです。
そして、一旦正社員をやめたら、その後、引っ越し先で正社員として働ける勤務先を見つけるのは難しいでしょう。
次にいつ引っ越してしまうか分からない人を正社員で雇う会社はほとんどありません。良くて契約社員。ほとんどの転勤妻はパートになるか、専業主婦になるか、という二択です。
でも、起業したら自分で収入が得られますし、どこでもできる仕事であれば、次にいつ転勤があっても、継続して収入が得られるます。
起業することで夫の転勤があっても、自分で稼いで自由に使えるお金を持つ、という経済的自立が得られるのです。
メリット② 孤独を感じず自己実現ができる
転勤族の妻が転居先で感じるのは大きな孤独です。
夫は転勤先でも会社の同僚がいますし、子どもは学校で友達ができます。 その一方で、家庭に残された妻は、家族の理由で引っ越しを余儀なくされたうえ、知らない場所で友達や知人もいない生活ですから、それは大きなストレスを感じます。
でも、起業をすれば仕事という支えができます。
さらに、起業の最大のメリットが「自己実現」で、自分のやりたいことを自由にできるのです。
知らない土地であっても起業していれば、取引先やお客様とつながっていますから孤独を感じなくてすむうえ、やりがいのある仕事もあって自己実現もできるのです。
メリット③ 煩わしい地域の人間関係から逃れられる
一カ所に長く住んでその地域で働くとなると、その地域のつながりや面倒な会社の人間関係に巻き込まれることも少なくありません。
田舎に行けばいくほど、地域の人間関係が濃くなり、その土地で働いたりしたら、否が応でも煩わしい人間関係に我慢しなくてはならなくなってしまいます。
でも、自分で起業して場所にとらわれずに働くことで、地域でのそうした人間関係とは距離を置くことができることが可能です。
もちろん、そこで生活するうえでの地域のお付き合いは大切です。でも、いずれまた転勤で引っ越す前提ですから、良い関係は築きつつ、面倒なことはできるだけ避ける、というスタンスで立ち振る舞うことが可能になるのです。
では、続いてデメリットについても見てみましょう。
デメリット① お客様などとの対面での関係を築きにくい
転勤妻の起業の場合、通常はネットでのビジネスとなりますが、そうなるとお客様とフェイストゥフェイス、対面でお会いする機会は少なくなります。
今はスカイプやZoomなどオンラインで顔を合わせることも可能ですが、それでもやっぱり、直接面と向かって会っての会話との濃密度に比べたら、雲泥の差。お客様もそうですが、取引先の方などとの関係も同様です。
ちょっと古い言葉ですが「ノミニュケーション」ってありますよね。
食事をしたりお酒を一緒に飲んだりすると、その人との距離がぐっと近くなって仲良くなる経験って、誰にでもあると思います。
それはリアルで会ってこそ。
なかなかリアルで会えない関係は、どうしても表面上のものになりがちなので、場所を問わない仕事を継続してしていくには、それを補うだけの強い魅力などが必要になってきます。
デメリット②地域密着型のビジネスができにくい
場所を問わない仕事をするということは、どこでも働ける一方で、地域に根付かない、地域密着にならない、ということです。当たり前ですけどね(笑)
地域密着型でお客様との顔の見える関係を長く続けるような業種をやりたい場合は、転勤妻の場合、難しいということです。
例えば、ラーメン屋さん、カフェ、パン屋さんなどの店舗を構える飲食店。
デイサービスや保育所などの人を預かるサービス業。
美容室やエステ、アロママッサージなどのリラクゼーションサービス。
こうした事業は、サービスの提供と消費が同時の場所でないとできないため、店舗を構えるなど、お客様と会う場所が必要になります。
また、そのお客様に継続的に何回も来ていただく(リピーターになってもらう)ことが必要なので、転勤妻が起業するのは難しいでしょう。
もし、転勤妻でそうした業種をやりたいのであれば、それがネットを通じてできないか、考えてみましょう。
しかも、直接サービスを提供するのではなく、そのやり方を教える、という方法であれば、オンライン講師などネットで指導できるので、場所を問わずに仕事できるので起業が可能となります。
デメリット③稼げるようになるまでに時間がかかる
転勤族の妻であろうとなかろうと、起業しても稼げるようになるには時間がかかるものです。
でも転勤族の妻であれば、起業できる業種に制約があるため、そうでない場合にくらべて、より時間がかかるでしょう。
次に転勤族の妻に向いている起業の種類をご紹介していますが、どれも、明日からすぐにお金が入ってくる、という内容ではありません。
一定のスキルが必要だったり、高い能力が求められたりします。それらのスキルを身に着けるまでには、ある程度の時間がかかります。
これまでの人生でそのスキルを身に着けるいたとしても、そこからネットで仕事ができるようなモデルを作るにも時間がかかります。
しかし、時間がかかったとしても、いったん軌道に乗ってしまえば、全国、いや全世界どこに行っても場所に関係なく同じ仕事ができるようになるのです。(全世界と言っても、電気とネットに繋がる環境は必要ですが・・・)
「夫の転勤」というハードルも関係なく仕事ができる自由を手に入れることができるのが「起業」という選択肢なのです。
転勤族の妻に向いている起業とは?
では、どんな業種の起業が転勤族の妻に向いているのでしょうか?
私の周りの転勤族の起業女性を見ると・・・
- イラストレーター
- ライター
- デザインナー
- カメラマン
- コンサルタント
- クリエイター、手作り作家
- プログラマー
- ウェブ制作
- オンライン講師
といった方がいらっしゃいます。(意外とたくさんいました!)
多岐に渡っていますが、共通している項目があります。
以下にその項目を解説しますね。
①インターネットで完結できる仕事であること
転勤族の妻で起業するには「場所がどこであっても仕事ができる」ということが前提になります。
それは「インターネットで仕事が完結できる」ということになります。
- 受注(注文の受付や仕事の依頼受付)
- 作業(実際の仕事の作業)
- 納品(注文主への引き渡し)
この1~3の全てがインターネット経由でできることが条件です。
2の「作業」はオンラインでなくても構いませんが、1と3は必ずネットで出来る必要があります。
②専門的な知識・スキルを活かせる仕事であること
例を挙げた9つのお仕事を見ると、どれも専門的な知識やスキルが必要な内容です。
- 絵が描ける(=イラストレーター)
- 文章が書ける(=ライター)
- デザインができる(=デザイナー)
- 美しい写真が撮れる(=カメラマン)
・・・というように、誰でも気軽になれる職業ではありません。
訓練や経験を積んで腕を磨いてきたり、たくさん勉強して知識を身に着けてきたからこそできる仕事です。
転勤族の妻だと、どうしても一つの会社でキャリアを積んでいくことが難しくなりますが、会社以外でも知識やスキルを高めたり、磨くことはできるはずです。
高いスキルがあれば、起業をしなくても会社員や契約社員などで雇われる可能性も高くなるように、身に着けた知識やスキルは起業はもちろん、あなたの将来に絶対に役立つはず。
「芸は身を助く」 ですね。
いずれ起業したいと考えている転勤妻さんへ
転勤がある旦那さんを理由に「起業ができない」と思うのではなく、
「どうしたら転勤族の妻でも起業ができるか」を考えましょう!
起業したい事業の内容が決まっている場合
起業の内容が決まっている場合は、その事業がどこでも場所を問わずにできるような仕組みにすことを考えましょう。
「お店を持ちたい」という場合は、リアルな店舗でなくネットショップにする。「人に教えたい」という場合は、オンライン講師・・・という感じで、インターネットで業務を完結できるビジネスモデルを組み立てましょう。
その準備が整ったら、起業ができるはずです。
起業したい事業の内容が決まっていない場合
起業の内容は決まっていなくて、いつか起業出来たら・・・そう思っている方の場合は、まず、好きな分野や興味のある分野での知識やスキルを身に着けるように頑張りましょう。
全国、どこに行ってもきちんと稼げるようになるには、それなりの知識やスキルが必要です。
正直、誰でも簡単に、すぐに身についてできる!という程度の技術や技能、スキルでは、起業しても難しいです。
デメリットにも書きましたが、一カ所でじっくりと、その地域のお客様との関係を対面で育んでいく、というのが出来ないのが転勤族の妻の起業です。
そのデメリットを打ち消すくらいの、圧倒的な知識や高い専門性のあるスキル、技術があれば、場所を問わずに仕事ができるようになります。
そのための準備期間と考えて勉強や技術を磨くことに励みましょう。
転勤族であることを強みにしよう
旦那さんが転勤族だということは、デメリットであると考えればそうかもしれません。
一カ所に長く住めない、いつ引っ越しがあるか分からない・・・
挙げればいっぱいデメリットの要素が出てきます。
でも、会社のお金で全国のあちこちに行ける、と考えればそれはメリットになりますよね。
新たな土地で心機一転!いつも新鮮な気持ちで生活できるでしょうし、知らない土地での経験・体験は刺激的です。
そうしたメリットを上手に起業に活かしてみるということも大切です。
イラストレーターやカメラマン、デザイナーなどのクリエイティビティが大切な仕事であれば、そうした経験は絶対に役立つはずです。
転勤族の妻だから起業はできない、と考えるのではなく転勤族の妻だから良い起業ができる、と考えてみてチャレンジする気持ちも大切です!