先日、いつもお仕事をお願いしているイラストレーターさんから「夫の転勤のため引っ越します」と連絡をいただきました。
実は彼女とは直接お会いした事が無く、仕事の依頼などはメールやSNSのメッセンジャーなどで行っていたため、転居しても私の仕事には全く影響がありません。
実際、引っ越しをした後も、イラストレーターさんにはそれまでと同じようにお仕事をしていただきました!
このイラストレーターさんのように、全国どこに行っても仕事ができるって、羨ましくないですか?
コロナ禍でテレワークが進んで転勤自体が減ってきていますが、全く無くなる、ということは当分無さそうです。
そして、旦那さんが転勤するとなったら、多くの場合は旦那さんの転勤先に一緒に引っ越すという女性が多いと思います。
私の起業セミナーに参加された方でも、転勤族の旦那さんがいる方は「数年以内に転勤がありそうなので起業はその後で・・・」という方がほとんどです。
こんな風に転勤族の旦那さんを理由に「起業は無理」と諦めてはいませんか?
今回は転勤族の夫がいる女性が、起業を諦めずに、全国どこにいっても仕事ができるためにはどうしたらいいか?について考えてみたいと思います。
※転勤族の旦那さんと一緒に引っ越しをする女性が前提です。
そもそも転勤族の妻は起業できるのか?
転勤族の妻であっても、もちろん起業はできます!
でも、ある程度の制約や条件があります。
原則として、場所を問わないビジネスであれば、いくら引っ越しをしても、事業が継続できるので起業することは可能です。
実際に、私の周りにも転勤族の旦那さんを持つ方で起業をしている方が何人もいます。
ネット経由で注文・仕事を受けて、会議や打ち合わせはZoomやスカイプで。
そして納品はメールやデータでできるとなれば、仕事の場所は問いませんよね。
固定の場所が必要な「飲食店」や「美容室」などで起業したいとなるとちょっと難しいのですが、そうでなければ転勤族の妻でも起業は可能です。
起業したいと思う気持ちがあるのであれば、転勤族を理由に諦めることなく、起業する方法がないかどうかを検討してみましょう。
転勤族の妻の起業のメリット・デメリット
転勤族の妻にとって、起業するメリット(利点・長所)・デメリット(欠点・短所)は何でしょうか?
では、具体的に見ていきましょう。
メリット① 収入が得られる(経済的自立)
夫の転勤についていくとなったら、それまで正社員で働いていたとしても、辞めざるを得ないことがほとんどです。
そして、一旦正社員をやめたら、その後、引っ越し先で正社員として働ける勤務先を見つけるのは難しくなります。
次にいつ引っ越してしまうか分からない人を正社員で雇う会社は少ないでしょう。
良くて契約社員。多くの場合、転勤妻はパートになるか専業主婦になるか、という二択がほとんどです。
でも、起業したら自分で収入が得られますし、どこでもできる仕事であれば、次にいつ転勤があっても、継続して収入が得られるますね。
起業することで夫の転勤があっても、自分で稼いで自由に使えるお金を持つ、という経済的自立が得られるのです。
メリット② 孤独を感じずに自己実現ができる
転勤族の妻が転居先で感じるのは「孤独」です。
夫は転勤先でも会社の同僚がいますし、子どもは学校で友達ができます。
その一方で、家庭に残された妻は、家族の理由で引っ越しを余儀なくされたうえ、知らない場所で友達や知人もいない生活ですから、大きなストレスを抱えることになります。
でも、起業をすれば仕事という支えができます。
さらに、起業の最大のメリットが自己実現です。
起業すれば自分のやりたいこと・好きなことを自由にできるのです。
知らない土地であっても起業していれば、取引先やお客様とつながっていますから孤独を感じなくてすむうえ、やりがいのある仕事もあって自己実現もできるのです。
メリット③ 煩わしい地域の人間関係から逃れられる
一カ所に長く住んでその地域で働くとなると、その地域のつながりや面倒な会社の人間関係に巻き込まれることも少なくありません。
田舎に行けばいくほど、地域の人間関係が濃くなり、その土地で働いたりしたら、否が応でも煩わしい人間関係に対応しなくてはならなくなってしまいます。
でも、自分で起業して場所にとらわれずに働くことで、地域でのそうした人間関係とは距離を置くことができます。
もちろん、その土地で生活するうえで、基本的な地域のお付き合いは大切です。
でも、いずれまた転勤で引っ越す前提ですから、良い関係は築きつつ、面倒なことはできるだけ避ける、というスタンスで立ち振る舞うことが可能になるのです。
では、続いてデメリットについても見てみましょう。
デメリット① お客様との対面での関係を築きにくい
転勤妻の起業は、多くの場合、ネットでのビジネスとなります。そうなるとお客様とフェイストゥフェイス、対面でお会いする機会は少なくなります。
今はZoomやスカイプなど、オンライン上で顔を合わせることも容易にできますが、それでも直接面と向かって会っての会話との濃密度に比べたら雲泥の差です。お客様もそうですが、取引先の方などとの関係も同様です。
ちょっと古い言葉ですが「ノミニュケーション」ってありますよね。
食事をしたりお酒を一緒に飲んだりすると、その人との距離がぐっと近くなって仲良くなる経験って、誰にでもあると思います。
それはリアルで会ってこそ。
なかなかリアルで会えない関係は、どうしても表面上のものになりがちなので、場所を問わない仕事を継続してしていくには、それを補うだけの強い魅力が必要になってきます。
デメリット②地域密着型のビジネスができにくい
場所を問わない仕事をするということは、どこでも働ける一方で、地域に根付かない、地域密着にならない、ということです。
地域密着型でお客様との顔の見える関係を長く続けるような業種は、転勤妻の場合は難しいということです。
例えば、ラーメン屋さん、カフェ、パン屋さんなどの店舗を構える飲食店。
デイサービスや保育所などの人を預かるサービス業。
美容室やエステ、アロママッサージなどのリラクゼーションサービス。
こうした事業は、サービスの提供と消費が同時の場所でないとできないため、店舗を構えるなど、お客様と会う場所が必要になります。
また、そのお客様に継続的に何回も来ていただく(リピーターになってもらう)ことが必要なので、転勤妻が起業するのは難しいでしょう。
もし、転勤妻でそうした業種をやりたいのであれば、それがネットを通じてできないか、考えてみましょう。
しかも、直接サービスを提供するのではなく、そのやり方を教える、という方法であれば、オンライン講師などネットで指導できるので、場所を問わずに仕事できるので起業が可能となります。
デメリット③稼げるようになるまでに時間がかかる
転勤族の妻であろうとなかろうと、起業して稼げるようになるには時間がかかるものです。
しかも、全国どこに行ってもお客様が途切れないくらいにお客様(お仕事)を獲得するにはある程度の年数が必要です。
次の項目で「転勤族の妻に向いている起業の種類」をご紹介しますが、どれも明日からすぐにお金が入ってくる、という内容ではありません。
一定のスキルが必要だったり、高い能力が求められたりしますから、安定的な収益を得られるまでにはかなりの時間がかかります。
これまでの人生でそうしたスキルを身に着けていたとしても、そこからネットで仕事が入ってくるようなビジネスモデルを作るにも時間がかかります。
ただし、時間がかかったとしても、いったん軌道に乗ってしまえば、全国、いや全世界どこに行っても場所に関係なく同じ仕事ができるようになるのです。(全世界と言っても、電気とネットに繋がる環境は必要ですが・・・)
「夫の転勤」というハードルも関係なく仕事ができる自由を手に入れることができるのが「起業」という選択肢なのです。
転勤族の妻に向いている起業とは?
では、どんな業種の起業が転勤族の妻に向いているのでしょうか?
私が知っている転勤族の起業女性を見ると以下のような業種の方がいらっしゃいます。
こうした方がいらっしゃいます。(意外とたくさんいました!)
多岐に渡っていますが、共通している項目があります。
①インターネットで完結できる仕事であること
②専門的な知識・スキルを活かせる仕事であること
以下に解説しますね。
①インターネットで完結できる仕事であること
転勤族の妻で起業するには「場所がどこであっても仕事ができる」ということが前提になります。
それは「インターネットで仕事が完結できる」ということになります。
- 受注(注文の受付や仕事の依頼受付)
- 作業(実際の仕事の作業)
- 納品(注文主への引き渡し)
この1~3の全てがインターネット経由でできることが条件です。
2の「作業」はオンラインでなくても構いませんが、1と3は必ずネットで出来る必要があります。
②専門的な知識・スキルを活かせる仕事であること
例を挙げた9つのお仕事を見ると、どれも専門的な知識やスキルが必要な内容です。
- 絵が描ける(=イラストレーター)
- 文章が書ける(=ライター)
- デザインができる(=デザイナー)
- 美しい写真が撮れる(=カメラマン)
・・・というように、誰でも気軽になれる職業ではありません。
訓練や経験を積んで腕を磨いてきたり、たくさん勉強して知識を身に着けてきたからこそできる仕事です。
転勤族の妻だと、どうしても一つの会社でキャリアを積んでいくことが難しくなりますが、会社以外でも知識やスキルを高めたり、磨くことはできるはずです。
高いスキルがあれば、起業をしなくても会社員や契約社員などで雇われる可能性も高くなるように、身に着けた知識やスキルは起業はもちろん、あなたの将来に絶対に役立つはず。
「芸は身を助く」 ですね。
いずれ起業したいと考えている転勤妻さんへ
転勤がある旦那さんを理由に「起業ができない」と思うのではなく、
「どうしたら転勤族の妻でも起業ができるか」を考えてみましょう!
起業したい事業の内容が決まっている場合
起業の内容が決まっている場合は、その事業がどこでも場所を問わずにできるような仕組みにすことを考えましょう。
「お店を持ちたい」という場合は、リアルな店舗でなくネットショップにする。「人に教えたい」という場合は、オンライン講師・・・という感じで、インターネットで業務を完結できるビジネスモデルを組み立てましょう。
その準備が整ったら、起業ができるはずです。
起業したい事業の内容が決まっていない場合
起業の内容は決まっていなくて、いつか起業出来たら・・・そう思っている方の場合は、まず好きな分野や興味のある分野での知識やスキルを身に着けるようにしてみましょう。
全国、どこに行ってもきちんと稼げるようになるには、それなりの知識や技術、スキルが必要です。
正直、誰でも簡単に、すぐに身についてできる!という程度の技術や技能、スキルでは、起業しても難しいです。
デメリットにも書きましたが、一カ所でじっくりと、その地域のお客様との関係を対面で育んでいく、というのが出来ないのが転勤族の妻の起業です。
そのデメリットを打ち消すくらいの、圧倒的な知識や高い専門性のあるスキル、技術があれば、場所を問わずに仕事ができるようになります。
そのための準備期間と考えて勉強や技術を磨くことに励みましょう。
転勤族であることを強みにしよう
旦那さんが転勤族だということは、デメリットであると考えればそうかもしれません。
一カ所に長く住めない、いつ引っ越しがあるか分からない・・・
挙げたらキリがないくらいデメリットの要素があるでしょう。
でも、会社のお金で全国のあちこちに行ける、と考えればそれはメリットになりますよね。
新たな土地で心機一転!いつも新鮮な気持ちで生活できるでしょうし、知らない土地での経験・体験は刺激的です。
そうしたメリットを上手に起業に活かしてみるということも大切です。
イラストレーターやカメラマン、デザイナーなどのクリエイティビティが大切な仕事であれば、そうした経験は絶対に役立つはずです。
転勤族の妻だから起業はできない、と考えるのではなく転勤族の妻だからより良い起業ができる、と考えてみてチャレンジする気持ちも大切となります。
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