お客様は誰?ターゲットの設定方法:ターゲティングについて

マーケティングのなかでターゲットを決めること(=ターゲティング)はとても重要です。

特に女性の小さな起業にとっては、ターゲットを明確にして絞り込むことが、その後の成否を分けるといっても良いでしょう。

起業を目指すAさん
起業を目指すAさん

お客様は幅広く、色んな人を対象にしたほうがいいんじゃないですか?

起業を目指すCさん
起業を目指すCさん

ターゲットを絞ったら、売上が少なくなっちゃいそうで…。
老若男女、すべての人に買ってもらいたいです!

ながた
ながた

小さな事業ではターゲットを明確に絞りましょう!
絞ったほうが効果的に売り上げを伸ばすことができますよ!

 

そこで今回は、ターゲティングの意味について理解を深めるとともに、どのようにターゲットを決めたら良いかについてお伝えします。

目次

ターゲティングって何のためにするの?

ターゲット (Target)を日本語に訳すと「標的」。
あなたが販売する商品やサービスの対象となる標的を定めることを「ターゲティング」と言います。

起業や経営、マーケティングに関するセミナーに参加したことがある方であれば、必ず「ターゲットを明確にしましょう」とか「ターゲットを絞りましょう」と言われたことがあるはずです。

それでは、なぜターゲットを定めることが必要なのでしょうか?

ターゲットを決めることの意味

それは、定めた標的に対して限られた資源を集中することで効率的にビジネスをするためです。

世の中には様々な人がたくさん居ます。
お金持ちの人もいれば裕福でない人もいます。
働いている人もいれば学生や無職の人もいます。
お米が好きな人もいれば、パンが好きな人もいます。
お菓子が好きな人がいれば、甘いものは苦手な人もいます。

このように、世の中の人はそれぞれ異なるニーズや欲求を持っていますが、それらのすべての人を満足させようとするのはとても難しいことですし、現実的ではありません。

ですから、ビジネスの対象となる人を絞ることで(=ターゲティング)、的確にその人の悩みを解消したり、問題を解決したり、欲求を満たすことができるようになります。
そして、限られた人を対象とすることで、お金や人材などの資源も無駄にせず、効率的にビジネスが行えるようになるのです。

ターゲティングをする効果

ターゲットを決めると、ビジネスがとてもやりやすくなります。

例えば、ターゲットが決まっていたら、その人たちに届けるためにどうしたら良いか、流通の方法や、どこに店舗を出したらいいかが決めやすくなります。

そしてターゲットが明確であれば、その人たちがあなたの商品やサービスに対して、どれだけの価値を感じるかが分かるので、値段を決めやすくなります

そして、ターゲットについて理解を深めれば、その人たちに知ってもらうためには、どんな手段・ツールを使ったら良いかが分かるので、プロモーション方法が決めやすくなります。

このように、ターゲットを決めることで、その後のマーケティングやブランディングの方針が決めやすくなり、無駄を省くことができます。

逆に言えば、ターゲティングがきちんとできていない場合は、マーケティングやブランディングに失敗しやすくなるのです。

マーケットを細分化してターゲットを絞る(セグメンテーション)

ではどうやってターゲットを決めたらいいのでしょうか。

まず、マーケット、市場全体を様々な切り口で細分化します。
この細分化することをセグメンテーションと言います。

セグメンテーションの変数

細分化する際の切り口のことを「セグメンテーション変数」と言いますが、大きく4つに分類できます。

  • 地理的変数 
  • 人口動態変数
  • 心理的変数
  • 行動変数

それぞれについて解説していきますね。

地理的変数

国や都道府県などの地域、気候や文化、生活習慣、宗教などの要素を指します。

例えば、「東京都内に在住の人」や「日本語を話す人」といったものは地理的変数でのセグメンテーションです。また「ハラール」などのように宗教も生活様式に大きな影響を与えるので変数として有効です。

人口動態変数

年齢や性別、学歴、職業、所得、家族構成などの要素を指します。

「30代の女性で、結婚していて小学生のお子さんがいるママ」といったセグメントがそれです。
当てはめやすいため良く利用される変数ですが、実はこれだけでは大まか過ぎて実際にはあまり役立ちません。※後ほど詳しく解説します。

心理的変数

ライフスタイルや趣味・趣向、価値観などの心理的な特徴を表現する要素です。

アウトドアが好きな人とか、カメラが趣味の人、などのように個々の価値観に基づくためセグメント分けが難しいものですが、消費者のニーズが多様化するなかで、4つの変数のうち、この変数が最も重要になっています。

行動変数

購入経験の有無や購入回数、使用頻度など購入の要素を指します。

ヘビーユーザーかライトユーザーなのか、その商品を使ったことがあるか無いかなどで分類します。

こうした様々な変数を複数組み合わせて、セグメンテーションをしてターゲットを絞っていきます。

ターゲティングの失敗例

ターゲティングの重要性に気付いていない人の多くが以下のようなターゲット設定をしがちです。

「ターゲットは老若男女。すべての人がお客様です」

または

「30代の女性で小学生のお子さんを持つママがターゲットです」

というパターンです。

上はターゲットを決めているようで、全くターゲットが絞られていない例。
下は、人口動態変数だけでターゲットを決めている例です。

NG例:ターゲットは老若男女。すべての人がお客様です

小さな起業だと「来てくださるお客様はすべて神様!だから老若男女、誰もがターゲットです!」という思いは良く分かります。

しかし、経営努力の結果として幅広いお客様に愛されるお店になるのは良いのですが、事業を行う時には明確に的を絞って「〇〇な人の〇〇という問題を解決するお店(もしくは商品・サービス)」とするべきです。

老若男女というのは、「年齢」と「性別」という人口動態変数だけをとらえたターゲット設定ですし、すべての人がすべて同じ問題を持っている訳ではありませんので、もう少し深掘りして、他の変数も組み合わせて「どんな人があなたのお客様なのか」を明確にすることが大切です。

NG例:30代の女性で小学生のお子さんを持つママ

一見すると明確に的を絞ったターゲット設定のように見えますが、一口に「30代で小学生のお子さんを持つママ」と言っても様々な方がいます。

  • シングルマザーのママ
  • 専業主婦でリッチなママ
  • フルタイムで働いているワーママ
  • 二世帯住宅に住んでいるパートのママ・・・

これだけでも、使える時間や使えるお金がそれぞれ異なってきますし、求めるものも違ってきます。

人口動態変数は分かりやすい変数であるがゆえによく利用されますが、実際は消費者の行動を切り分ける時には、もう少し細かく見ていく必要があります。

どんな悩み・不満・不安・不足・欲求・要望を持っている人か?

ビジネスとは、お客様が持つ問題を解決することです。

例えば「お腹が空いた」と思っている人に対して、飲食店やスーパー、コンビニなどが『食事・食料品の提供』という解決策を提示します。

このように、ひとが持つ悩みや不満・不安・不足・欲求・要望を解決したり、満たすことで対価を得るのがビジネスです。

ですから、ターゲットを設定する時に大切なのは、
どんな悩み・不満・不安・不足・欲求・要望を持っている人か?
ということです。

逆に言えば、あなたが提供する「商品・サービス」は、どんな人のどんな問題を解決するのか?という視点でターゲットを考えてみましょう。

事例:具体的にターゲットを考えてみる

例えば、あなたが英語が得意で留学経験もあるので、自宅で小学生未満のお子さんとママが一緒に学べる英語教室を開催して起業したいと考えていたとします。

普通に考えるとターゲットは「未就学児のお子さんを持つママ」となります。

でも、もう少しよく考えてみましょう。

未就学児のお子さんを持つママで「子どもに英語を学ばせたい」、「親子で一緒に英語を学びたい」と思う人とはどんな人で、どんな問題(不満や不安・欲求)を持っているでしょうか?

  1. 子どもにはグローバル社会で活躍して欲しいので幼い頃から英語に触れさせたい
  2. 自分も一緒に英語を学ぶことでスキルアップしたい
  3. 親子で一緒にいる時間を充実させたい
  4. 将来、夫が海外赴任予定なので、準備のために親子で英語を学んでおきたい
  5. 育休中に英語のレベルを落とさないようにしたい

このように「問題解決」という視点で考えてみると、具体的なターゲット像が見えてくると思います。

年齢層的には30~40代で、留学経験があったり大卒以上の高学歴で、就業経験がある女性や、金銭的に余裕のある家庭のママがイメージできるのではないでしょうか。

まとめ

ターゲットが具体的に決まると、それ以降のマーケティングがとても進めやすくなります。

具体的には、価格設定や販売場所、プロモーションなどを決める際に、ターゲットに合致していることを考慮して決定していきます。

特に、女性が始める小さな起業の場合は、掛けられるお金も人も時間も限られていますので、的を絞ってピンポイントでターゲットに刺さるようにしなければなりません。

あの人にも、この人にも、あっちにも、こっちにも・・・とターゲットを広げていってしまうと、結局誰からも喜んでもらえない、ありきたりのどこにもある商品・サービス・お店になってしまうので注意してください。

これから起業する人はもちろん、既に起業してビジネスをスタートしている人も、ターゲットについては常に意識して考えてみましょう。

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