【やってはいけない】値下げで売上アップを目指す考えは今すぐ捨てよう!

女性の起業の基礎知識
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起業して事業を始めたものの、思ったよりもお客様が増えない時、あなたならどんなことに取り組みますか?

多くの人がこの時に「値下げ」という選択肢を選びがちです。

しかし、必ずしも値下げしたらお客様が増えて売上が伸びるとは限りません。

「値段を下げたらお客様が来てくれるはず!」そう信じて値下げをしたものの、反応が無いと「値下げ幅が少なかったのかな?」「もう少し値下げしたらいいかな」と更に値下げのスパイラルにハマってしまう人が少なくありません。

起業したばかりの時期は特に「一人でもお客様を増やしたい!」と思う気持ちは良く分かります。

でも、お客様を増やしたいから、売上を伸ばしたいからといって値下げするのはやってはいけない方法なのです。

そこで今回は値下げがダメな理由や、値下げする代わりにどうしたら良いかをお伝えします。

値下げするのがダメな理由

売り上げを上げるため、お客様を増やすために商品やサービスの値段を下げるのは、なぜダメなのでしょうか。

値下げがダメな理由として以下の4つがあります

利益が減る

同じ原価のままで単純に値段だけ下げると利益が減ってしまうのは誰もが分っていることだと思いますが、少しくらいなら大丈夫と思っていませんか?

その考え方が命取りになります!

例えば、7,000円で仕入れた商品を1万円で販売していたとしましょう。
それを10%、20%、30%値引いた時の利益の減少率は下の表の通りです。

値段は10%しか下げていなくても、利益は33%も下がってしまうのです。
少しの値下げでも利益が大きく下がってしまうことが分かりますね。

利益は事業を継続するために不可欠なもの。
それを減らしてしまうのは自分の首を絞めることに繋がります。

お客様の質が下がる

高い値段でも買ってくれるお客様は、その商品やサービスに対して「価値がある」と思ってくれる『価値を重視するお客様』です。

「あなたから買いたい」と言ってくれる価値重視の優良なお客様が多ければ多いほど、リピート購入が中心となるので集客にかかる広告宣伝などの費用も少なくて済むうえ、常連のお客様であれば好みなども把握できるので対応しやすくなります。

一方で、値段を下げたら集まってくるのは、商品・サービスの価値よりも『値段を重視するお客様』です。

値段を重視するお客様は、あなたが提供する商品やサービスに対して価格以外の価値をあまり感じていないため、他に同じもので値段が安い店舗があれば、すぐにそちらに移ってしまいます。

そんな値段重視のお客様を繋ぎとめておくには常に値下げをし続けなければなりません。そして、離れて行ってしまったお客様の分、新規の集客が必要になるので広告宣伝費がかかり収益も悪化してしまいます。

モチベーションが下がる

エステやネイルなどサービス業の場合、1万円で5人のお客様を対応するのと、5千円で10人のお客様を対応するのとでは同じ売上高ですが、果たしてすべてのお客様に対して同じモチベーションで仕事ができるでしょうか?

価格を下げて多くのお客様に対応しなければならないと、実際の対応もおざなりになりがちです。

何より、同じ内容の仕事に対して1万円と5千円と稼げる金額が違った場合、金額が高い方がやる気が出るのは当然ではないでしょうか。

値段が下がればモチベーションも下がりますし、下がったモチベーションで対応したのであれば、お客様の満足度も下がってしまうことでしょう。

値下げした価格が定着してしまう

「値下げ」というのは、商売における麻薬のようなものです。

もし1回値下げしてお客様が増えたら、次に売上を伸ばしたい時に「値下げしたらいい」と安易に飛びついてしまいます。

単に値段を下げるだけで売り上げが伸びるのであれば経営者としての努力が要りませんが、それは最終的に墓穴を掘ることに繋がります。

お客様側も安い値段で買えることが分れば、わざわざ高い時に買わずに値下げするのを待つようになって買い控えが起こります。

買い控えが生じてしまうようになれば値下げを続けざるを得なくなってしまい、経営悪化を招きます。

値下げしても良い例

値下げはダメ、と書きましたが、絶対ではありません。
値下げして良い時もあります。

ここでは値下げしても良い場合の事例を紹介します。

期間や内容に制限のあるキャンペーン

新規に事業を始めてお客様を多く獲得したい時や、実績を積みたい時には値段を下げる方法が効果的です。

ただし、その際に「期間を決める」「サービス内容や提供人数に制限を設ける」といったことが必要です。

【期間や内容に制限のある値下げ】

・オープン後の1か月などのように期間を限定し、それが特別の価格であることを明示する

【SAMPLE】


・アンケート協力や、SNS掲載、お客様の声を宣伝に使用することなどを条件に値下げする

【SAMPLE】

値下げした価格が限定のものであることをきちんと明示し、値下げ価格が定着しないようにするしてみましょう。

特別な理由がある場合

在庫整理など特別な理由がある場合は値下げも選択肢の一つです

在庫の整理などを目的に商品を売り切りたい時には値下げも選択肢の一つです。
例えば以下のような場合です。

・お菓子や食品の賞味期限が間近で早く売り切りたい時
・新製品への切り替え時に旧商品を値下げして売り切る時
・シーズンの変わり目に前シーズンの在庫を処分したい時

この時大切なのは、値下げした商品は売り切って終了する(再販しない)ということです。

なお、この値引きは利益を下げるものですから、本来はやるべき値下げではありません。
製造数や仕入数の見直しを行ったり、販売方法を見直して、次回以降は定価で売り切れるように改善していくことが大切です。

コストダウンが出来た場合

かかる費用はそのままで値段だけ下げると利益が減ってしまいますが、仕入れ価格や製造原価を抑えることができ、それまでと同じだけ利益が確保できるようであれば、値下げを検討するのもアリでしょう。

ただし、値下げした分だけお客様が増えるのであれば値下げすることに意味がありますが、わずかな値下げであれば、あまり客数や売り上げに影響は無い可能性が高いです。

そうであれば経営的には無理に値下げせずにいるほうが良いでしょう。

値下げをする前にやる3ステップ

お客様を増やしたい時、売上を伸ばしたい時に安易に「値下げ」をするのではなく、別の方法で対応するようにしましょう。

そのための3つのステップをご紹介します。

ステップ1:思い込みを捨てる

まず、「値下げしたら売れる」という思い込みを捨てましょう

例えばガソリンのように、どのブランドであっても品質がほぼ同じような商品であれば、価格のみが購入の決定打となります。

1リットル200円のガソリンスタンドと、150円のガソリンスタンドがあったら、ほとんどの人が150円のガソリンスタンドに行きますよね。

だからこそ「値段を下げたら売れるはず」と思い込んでしまうのでしょう。

ただし、あなたがバイクや自動車を持っていなかったら、ガソリンは不要なので値段が幾らで販売されていようと関係ないはずです。

価格は「それが必要な人」、「それに価値を感じている人」だけが、購入の際に検討する要素なのです。

もう少し分かりやすく言うと、欲しいと思っていない人に対して値段を安くしたところで意味が無いのです。

逆に、「必要だ」「どうしても欲しい」と思っている人は、払える価格であれば購入します。

例えば、高級アイスのハーゲンダッツですが、ほとんどの人がアイスを食べたあと、そのフタは捨てますよね。それは、アイスのフタは「ゴミ」だと思っているからです。

でも、それを「欲しい」と思う人も世の中にはいて、お金を払っても買いたい!という人がいるのです。

フリマアプリのメルカリを覗いてみると・・・

実際にメルカリではハーゲンダッツのフタが多数取り引きされています

アイスのフタが1つ2千円?!
多くの人がそう感じることでしょう。

そう思っている人に対して半額の1000円に値下げしても売れません。500円であろうと「要らない」と言うでしょう。(転売して儲けようと思っている人以外ですよ!)

購入の意思決定において、「幾らであるか」ということよりも「(買い手にとって)価値があるかどうか」が最も重要です。

「安くすれば売れるはず」というのは思い込みでしかないのです。

ステップ2:プロモーションを見直す

お客様が少ない、売上が伸びない、という時、小さな事業者の場合は、商品やサービスがお客様に「知られていない」ということが多々あります。

知らない商品は買ってもらえませんから、まずは知ってもらうための告知・宣伝・集客といったプロモーション方法を見直しましょう。

そして、ターゲットに合った適切なプロモーションができているか見直してみましょう。

よく「SNSで宣伝しているのだけどなかなか人が集まらない」という方がいますが、そもそもフォロワーが少なかったり、フォロワーが身近な友達だけだったりしたら人が集まらないのは当然です。

SNSは手軽で手っ取り早く取り組めるツールですが、実際にお客様を集客できるツールに育つまでには時間がかかります。

今すぐお客様を増やしたいのであれば、チラシのポスティングや友達の紹介といった、昔ながらの地道な方法のほうが効果的です。

ステップ3:値段を下げずに価値を上げる

ホームページのアクセス数はそこそこある、SNSの「いいね」の数もけっこうある・・・
にもかかわらず、お客様が少ない、売れない、という場合は、「知ってもらえているけれど買ってもらえない」という状態です。

これは「価値と価格が見合っていない」ということです。

その場合は、価格を下げるのでなく、価格に見合った価値になるように内容や提供方法などを見直してみましょう。

提供しているメニューや品質が今一度お客様のニーズに合ったものであるか見直してみましょう。

またその際に、価値に合うように値段を上げる、ということも検討しましょう。

例えば、これまで店舗だけで提供していた安価のサービスを「訪問・出張対応可」とすることで値段を上げる、というような場合です。

また、早朝営業、深夜営業、24時間対応、休日対応といったように顧客のニーズに合わせて提供方法を見直して、併せて値上げするということもあるでしょう。

意外とこうしたちょっとした変更で急にお客様が増えることがあります。

そして、イベントやキャンペーンなどの時も値下げをするのではなく、ノベルティをプレゼントしたり、プラスアルファのサービスを提供するなどの対応で、極力定価を維持するようにしましょう。

まとめ

小さい事業者にとって値下げは経営に大きなダメージを与えます。

利益を減らし、お客様の質を下げ、商売のモチベーションも下げてしまい、しかも一旦値段を下げたらそれが当然となってしまい、自分の首を絞めるばかりです。

コストを下げたり、他のマーケティング施策を見直すことも無いままで「売れないから値下げする」「お客様を増やしたいから値下げする」というやり方は、経営者としての能力不足を意味します。

値段を下げるだけであれば誰にでも出来る方法ですし、そこに経営努力は不要だからです。

小さくて資金も乏しい女性の事業主であれば、そんな時こそ知恵を絞って、お客様にとってニーズのある商品・サービスは何か、どうやって提供したら喜ばれるかを考えて実行してみましょう。

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