【起業あるある】起業当初の価格・料金設定における3つの失敗例

女性の起業の基礎知識
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起業する時に、自分が販売・提供する商品やサービスを「幾らにしたらいいのかな?」と悩む方も多いと思います。

値段は一度決めてしまうと、なかなかすぐに変更できませんし、高過ぎたら売れませんし、安過ぎれば利益が出なくなってしまう・・・値段設定は起業時の大きな悩みの一つです。

実際、色々と悩んだ末に値段をつけて事業をスタートしたものの「この値付け、失敗したな・・・」と思って修正する方も少なくありません。修正(値上げ)できれば良いのですが、安い値段が定着してしまったため、泣く泣く薄利のままで販売しつづける事業者も多くいます。

そこで今回は、起業のあるあるネタとして、私がこれまでに見てきた値段設定の3つの失敗事例をご紹介したいと思います。

「人の振り見て我が振り直せ」という諺(ことわざ)があるように、ぜひ他の人の失敗例を参考に自身の価格設定に役立ててください。

失敗例1:最も多い失敗は『安すぎる価格設定』

起業したばかりの女性で最も多い価格設定の失敗は安すぎる価格設定』です。

例えば、エステやアロマのおうちサロンを開業して、1万円で1日3人のお客様を対応するのと、5千円にして6名のお客様を対応するのとでは、売上は同じであっても、かかる手間や対応を考えると、1万円で3名のほうがよっぽど利益が出ますよね。

それは分かっているのに、多くの起業したばかりの女性は値段を安くしてしまいます。
そして、忙しいのに利益が出ず、クタクタに疲弊して「こんなはずじゃなかった」ということになってしまうのです。

「こんなはずじゃなかった」と起業して後悔したくないですよね

安い価格設定をしてしまう3つの理由

では、なぜ安い価格設定をしてしまうのでしょうか?
安くしてしまう理由は主に次の3つです。

①経験や実績が乏しいから
②自宅サロンなどの場合は場所代の費用が掛からないから
③より多く売れて欲しいと思うから

①経験や実績が乏しい
アロマやリフレなどのセラピスト系やヨガなどの講師で資格を取得したらすぐに起業する女性や、ビジネス経験が少ない女性でお金をもらうことに抵抗を感じるタイプの方が陥りがちな失敗です。

起業する分野での経験が浅く、自分が提供するサービスに自信が無かったり、サービス提供の対価としてお金を受け取ることに慣れていないため、競合となる店舗のサービスと比べて安い料金に設定しがちです。

そして起業後に経験を積んで技術が高まった時には既に安い料金が定着してしまって値上げが出来ず、お客様が増えても儲からない体質になってしまうパターンです。

事業を始めるからにはプロとしてきちんとお金をいただけるレベルであることも大切ですが、経験を積むためであれば、『オープン記念限定価格』などのように値段を安くする期間を限定したり、『〇名限定モニター価格』といったように安くする理由と期間を明確にしましょう。

自宅サロンなどの場合は場所代の費用が掛からないから
自宅の一室でアロマやエステ、ネイルサロンを開業する方や、自宅でお料理などのお教室を開く方などに多いパターンで、場所代がかかっていないことを理由に安い料金設定にしがちです。

しかし、事業が順調に成長してお客様が増えたり、子ども大きくなって自宅が手狭になった段階で、店舗を構えたくてもその分を価格に反映できずに困ってしまうパターンです。

お客様の視点で考えると、受けるサービスに対してお金を払っているので、場所代が掛かる・掛からないかは関係ありません。

例えば、自宅の隣に自宅サロンと同じスペースの賃貸物件を借りて店舗を構えたとした場合、お客様にとって足を運ぶ距離は変わりませんし、面積も変わらないのに「家賃が掛かるようになったから値段を上げます」と言っても納得してもらえませんよね。

自宅サロンだから安く提供、と考えるのではなく、自宅サロンであってもサービスの質は落とさず、価値あるものを提供して、適正な金額にするべきなのです。

③より多く売れて欲しいと思うから
起業当初に、早くお客様を獲得したいがために「安ければ売れる」と思い込んで値段を下げて提供をしてしまうパターンです。

価格設定の際に大手企業の料金を比較・参考にして「それよりも安くしたら売れるはず」とする方も少なくありません。そして、安い価格に設定したものの、思ったほどお客様が増え無い時には更に値下げして販売・・・という負のスパイラルに陥ってしまう方もいます。

お客様が商品・サービスを選ぶ際に値段だけで選ぶことはありません。品質やサービス内容、対応など様々な要素を検討して「買う価値がある」と思ったら買うのです。

もちろん、起業当初にお客様を広げるために一時的に安くすることもアリですが、キャンペーン価格やモニター価格など理由を明確にして、時期を限定することが大切です。

失敗例2:費用を考えずに『利益が出ない価格設定』で失敗

失敗例の二つ目は『利益が出ない価格設定』です。

売上 ー 費用 = 利益

この公式はビジネスをする人なら誰もが知るものですよね。

費用を賄うだけの売上が無ければ赤字となって事業を継続できませから、価格を決める際にも、費用に利益を上乗せした金額にしなければなりません。

しかし、結果的に費用が賄えずに利益が出ない値付けをしてしまう例があります。

利益が出ない価格設定に陥る2つのパターン

利益を確保した価格設定が大切だと分かっていても、そうでない価格にしてしまう例として2つのパターンがあります。

①予想したよりも費用がかさんでしまうパターン
②自分の人件費をパートの時給レベルで計算してしまうパターン

予想した費用よりもかさんでしまうパターン
事業を最初にスタートする時に商品・サービスの値段を決めますが、その段階では「予想の費用」をもとに計算して値付けをします。しかし実際に事業を始めたら思ったよりも費用がかさんでしまい、結果として予定した利益が確保できない値段設定となってしまうことが多々あります。

家賃や社員の給与、広告宣伝費など、毎月一定の金額の費用については、事前にある程度の予測ができます。一方で、パートやアルバイトのお給料、材料の仕入れなど、売上に応じて変化する金額があり、それが想定よりも多くかかってしまうこともあるでしょう。

また、起業する前には思いつかなかった費用、起業して初めて「こんなことにもお金を使うんだ!」と知ったいうものあるかと思います。同業者や取引先への慶弔費や接待交際費、様々な経済団体への加入後の会費など・・・意外と経営者としてのお付き合いなどにもお金がかかるものです。

経営経験の無い人にとっては、そうした費用を事前に想定するのは難しいことですが、起業した人の多くが「思ったよりも費用がかかった」「想定外の出費があった」という経験があるので、価格設定の際の費用はちょっと多めに見積もることが重要です。

事業をスタートして想定外にお金がかかることに気が付く人も!

自分の人件費をパートの時給レベルで計算してしまうパターン
これは女性に多いパターンですが、費用を計算する際に、自分の人件費を1,000円とか、パートの時給レベルで考えて計算してしまうパターンです。

具体的には、自宅サロンでネイルをされているプチ起業の方で、材料費は500円程度で、ほかに掛かる費用は主に人件費だけという場合、時給を1,500円ほどと考えて、3時間のジェルネイルの料金は5,000円としてしまうような例です。

ジェルネイルが3時間で5,000円というのは、特段高くもなく、安くもない値段ですし、それよりも安い大手のネイルサロンはたくさんあります。

でも、問題なのは値段ではなく費用計算の考え方です。

自宅サロンであれば、場所代がかからない分、材料代だけ賄えれば確実に利益が出ると思いがちですが、長い期間を掛けてかなりの費用を費やしてネイルという技術を身に付けて資格を取得し、サロンオーナーとして経営する人の人件費が1,500円で良いのでしょうか?

費用と言うのは、直接的なものだけではありません。資格取得にかかった時間や技術習得にかかった費用も含めて考えなければなりません。それらの費用の含めての人件費を考えましょう。

そして、大手のネイルサロンの安い価格は、大量に仕入れた原価の安い材料を使い、経験の浅いネイリストが対応したり、画一的でシンプルなデザインにするなどの企業努力で行われているもので、初回限定など販促的な意味もあるので、そこと同じレベルで競争したら勝ち目はありません。

自宅サロンならではの付加価値や、「〇〇さんにやってもらいたい」とお願いされる技術力やブランディングを高めていき、人件費から逆算する価格設定ではなく、プロとして適正な価格を提示するようにしていきましょう。

失敗例3:『価値に見合わない価格設定』で失敗

価格というのは「商品・サービスの価値」を貨幣で表したものです。

商品やサービスには、便利・役立つ、といった『機能的な価値』や、嬉しい・楽しいといった『情緒的な価値』など、様々な価値があります。

お客様にとって、あなたが提供する商品・サービスにどれだけの価値を感じるかによって、買うか・買わないかを決定します。

お客様の考える価値 ≧ 値段dでであで

商品・サービスの値段がお客様の考える価値より同等もしくは下回っている時にのみ、お客様は購入を検討します。

売れないから値下げをしても一向にお客様が増えない、という場合は、そもそも提供している商品やサービスに対してお客様が価値を感じていない、ということがほとんどです。

例えば、お墓を買おうと思っていない人に対して「お墓がセールになっています」と頑張ってアピールしても意味が無いように、お客様がその商品・サービスに価値を感じない限り、価格が幾らだろと関係無いのです。

一方で、お客様の価値よりも大幅に安過ぎる価格設定もNGです。

例えば、多くのお客様にとって5,000円の価値があると感じる商品に対して、利益が出るギリギリの2,000円で提供した場合、多くのお客様が殺到することが考えられます。

お店側にしてみたら「たくさんのお客様が来てくれて嬉しい」と思うかもしれませんが、利益がギリギリなうえ、お客様が増えすぎて、十分な接客対応ができなくなってしまったり、お客様をお待たせしてしまったり、売れすぎて欠品になってしまったりしたら、お客様の不満も高くなり、クレームが増える可能性だってあります。

ですから、適正な利益を確保しつつ、お客様の満足度も高められるよう、価値に見合った値付けをするようにしていきましょう。

価格設定は慎重に!理由なき安値はせずに「価値」で勝負しよう

失敗例を3つご紹介しましたが、これらは起業時の値段設定においてよくある失敗事例です。

商品・サービスの価格は、売上の元となるもので、事業の成否・継続に大きな影響を与えるものですから、失敗を犯さないように、値段を付ける際にはぜひ慎重に決定してください。

また、何度も言いますが「安ければ必ず売れる」ということはありません。
お客様が「買う価値がある」と思い、価格が価値を下回った時にしかお金を支払わないのです。

その逆もしかり。
高い値段であっても、お客様にとって「価値がある」と感じたら買ってもらえます。

市場には大企業から中小企業まで、様々な事業者がライバルとして存在します。起業する女性の多くが規模の小さな事業者としてスタートしますが、そんな小規模事業者が、大手企業と価格競争をしても勝ち目が無いのは世の常です。

大手企業は大量仕入れやオートメーション化などコストダウンを図って、きちんと利益を出しつつも値段を下げます。そこと同じような価格をつけたら小規模な事業者は利益が出なくなってしまいます。

そこで、価格では競争せず、商品・サービスの品質や大手では出来ないお客様に寄り添った丁寧な心のこもった対応といった面で差別化して選ばれるようになる必要があります。

起業当初によく分からずに安い値段をつけてしまい利益が出せずに困っているようであれば、すぐに適正価格まで値段を上げて利益を確保しましょう。

長く事業を続けていくためにも、きちんと利益を確保できる値段をつけるようにしてくださいね。

 

 

    

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