よく「友達との起業は上手くいかない」と言われます。
実際、私の周囲でも女性の友達同士で事業をスタートしたものの、数か月もしないうちに事業をやめてしまったり、どちらかが離れてしまう例をこれまで幾つも見てきました。
ひとりじゃ不安だから女友達と一緒にやろうと思ってるけど、
ダメなんでしょうか?
必ずしもダメじゃありません。
成功させるには幾つかポイントがあります!
多くの失敗例があるなかで、少ないながらも友達同士で事業を始めて今でも上手に経営している女性達もいます。
そこで今回は、女友達と一緒に起業したいと思っている方が気になっている点を解説したいと思います。
- 女友達との起業を予定している方
- 一人での起業は不安でパートナーを探している方
- 友達との起業を考えているけど不安に思っている女性
友達との起業は上手くいかないの?止めた方がいいの?
友達との起業は失敗する割合が高くなるという統計データがあります。
米国の著名な大学教授がリサーチした結果、友達との起業は失敗する確率が高いと発表しています。
では、友達との起業は失敗するリスクが大きいから止めたほうが良いのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
友達と一緒に起業しても成功させることは可能です。
上手くいけば、最強のコンビとして事業を成功に結び付けることができます。
ただし成功するためには、友達との起業にはリスクがあること理解したうえで失敗しないための行動を取らなくてはなりません。
成功している女性起業家の特徴を5つまとめました!ぜひ参考にしてみてください。
女友達との起業が上手くいかない失敗例
友達と起業して失敗した事例を見ると幾つかの共通した原因があることに気づきます。
友達との起業を成功させるためにも失敗の原因を学んでおきましょう。
- 勢いで始めた事業の場合
- 友達に頼りっぱなしの甘えた関係性の場合
- 二人のスキルや能力、価値観が違い過ぎる場合
以下に解説します。
1)勢いで始めた事業の場合
女性の場合、知り合って会話が弾んで盛り上がることが良くあります。
例えば、起業セミナーなどで知り合った二人が、話をするうちに盛り上がって「それなら一緒にやりましょう!」と意気投合する姿を私もよく見かけます。
そうして一緒に取り組むのが一回限りのイベントなど単発の内容であれば、成功することも多いようです。
しかし、継続的に行う事業、ましてや共同経営をするとなると、もう少し慎重に決める必要があります。
共通のテーマで盛り上がったものの、それぞれの役割分担や費用負担をハッキリ決めていなかったり、そもそも、それぞれがどのような能力やスキルを持っているのかを十分把握してなかったりすると後々、問題が生じてトラブルに発展します。
事業をスタートしてみたら「こんなはずじゃなかった」ということが増えてきて、事業がとん挫してしまったり、不満が募ってケンカ別れに至るのです。
事業を一緒に行う場合は、勢いや気分だけで流されずに、お互いにじっくり話し合って、検討してから始めるようにしましょう。
2)友達に頼りっぱなしの甘えた関係性の場合
友達との起業は、頼れる相棒を持った心強い面もありますが、一方で、頼りっぱなしの甘えた関係になる可能性もあります。
精神的な支えだけでなく、仕事においても「この分野は全部あなたにお任せするからお願いね」などと丸投げしたり、甘えて頼るばかりではいけません。
もちろん、専門分野や向き不向きなどによって、それぞれの役割を分担することは重要ですが、責任を放棄した丸投げでは、頼られたほうは徐々に不満が募っていきます。
また、友達でなければしない・言わない、わがままな言動も気をつけなければなりません。
時間に遅れたり、二人で最初に決めたルールや約束を守らなかったり・・・
友達だからちょっとくらい許されるだろう、と思ってついルーズになってしまうと、それが積み重なったら大きな喧嘩に発展しがちです。
友達や親友という関係に甘えることなく、ビジネスのパートナーとしてお互いに自立したイコールの関係性を保つように心掛けましょう。
3)二人のスキルや能力、価値観が違い過ぎる場合
二人が意気投合して起業したものの、実際にビジネスを始めてみると、二人のスキルや経験、能力、価値観の違いが後から分かることがあります。
友達として気が合うことと、仕事の能力やスキルは別物です。
共同で経営することになったものの、二人の能力等にあまりにも差があると、そのうちにひずみが生じます。
能力が高いほうの人は、能力の低い相手に対してイライラしたり「なんで私ばかりやらなきゃいけないの?」、「自分ばかり仕事に貢献している・・・」と思うようになってきます。
また、能力が低いほうの人は、能力の高い人に合わせようと無理をして頑張りすぎたり「私なんていなくても一緒」とひがんだりするようになったら破綻は見えています。
「長い付き合いだし、仲が良くて気が合うから困難があっても乗り越えられる」と過信は禁物。
ビジネス的な視点でお互いが持つスキルや資質などを事前に検討したうえで「二人がパートナーになったほうがメリットがある」と判断できた時に事業を始めるようにしましょう。
友達と一緒に起業するメリット
友達との起業は失敗するリスクもありますが、上手くいけば最高の経営パートナーになる可能性も秘めています。
ここまで失敗ばかりに着目してきましたが、友達との起業はどんなメリットがあるのでしょうか?
友達と起業するメリットとして代表的な3つをご紹介します。
コミュニケーションがスムーズにできる
知らない人と何かを一緒に始める場合は、お互いのことを知って、やり方や考え方にズレが生じないように詳しく説明したり時間をかけて説得をしなければなりません。
でも仲が良い気心の知れた友達とであれば「あ・うん」の呼吸でお互いのことがわかったり、細かい説明をしなくてもスムーズに理解ができます。
そうしたコミュニケーションにかける手間や時間を省けることが仲の良い友達と起業するメリットになります。
精神的・感情的な支えになる
よく「経営者は孤独だ」と言われるように、経営をすると様々な悩みが降りかかります。
そんな時にひとりだと悩みを相談できる相手がいないので気持ちも落ち込むばかりですが、友達が一緒であれば、悩みを分かち合えて相談もでき、互いに支えあうことが出来ます。
片方が落ち込んでいても、片方がそれを支えることで安定的に経営を行うことができるのです。
役割や業務を分担できる
ひとりだけでは出来ることに限界がありますし、時間的な制約も生じますが、それが二人になれば、基本的に倍の仕事を倍の時間をかけて出来ることになります。
特に女性の場合、家事や子育てなど家庭との両立もあったり、結婚・出産・育児などライフイベントの影響も大きいので、仕事を続けていくだけでもかなり大変なことも多くあります。
友達と起業したら、そうした役割や業務を二人で分担することでゆとりができるようになります。
特に起業した当初はやることも多く大変な時期ですから、息の合った二人が真剣に取り組めば、1+1=2ではなく、3にも4にもできて事業の成長に貢献するはずです。
女性起業家に多い「忙しいけど儲からない」というお悩みについて対処法を書いた記事はこちらです!
女友達との起業を成功させるための5つのポイント
それでは、先述した友達との起業の失敗事例を踏まえ、女友達との起業を成功させるためのポイントをご紹介します。
①お互いのことを十分に理解する
友達同士での起業を成功させるには、まず一緒に事業を行う「友達」のことを良く知ることがスタートです。
子どもの頃からの幼馴染との起業ならまだしも、知り合ってから日が浅い友達と勢いで起業するのは失敗が目に見えています。
また子どもの頃からの長い付き合いのある友達だった場合も、一緒に遊んでいる時の顔しか知らないこともあるでしょう。
友達であれば「気が合う」というだけでいいのですが、仕事を一緒にする仲間となると、気が合うだけでなく、仕事に取り組む姿勢や資質、スキルなども把握しておかなければなりません。
- お互いがどのような能力・スキル・知識を持っているのか
- どういった価値観で生きているのか
- どのような性格なのか
こうした点をお互いに把握したうえで、「仕事のパートナーとして最適だ」と思えなければ、一緒に起業することは考え直したほうが良いでしょう。
充分に相手のことを理解するために「お試し期間」を設けてみるのも一つの方法です。
3か月など期間を区切って、一緒に働いてみてからその後も継続するか検討するのもありでしょう。
②責任やルール、役割分担を明確にする
事業を共同で行うのであれば、二人の責任や守るべきルール、そして役割分担を明確にしておかなければなりません。
仕事のやり方や職場でのルール、決め事はお互いが納得するような形で話し合って決めましょう。
そして役割分担は、互いが持っている経験や能力、スキル、技能などはもちろん、得手不得手、向き不向き、好き嫌いなどを考慮して、検討しましょう。
二人が別々の分野を分担することもあるでしょうが、それらについて最終的な意思決定は二人で検討して決めることが大切です。どちらかにお任せ・丸投げ、というような分野を持つと、いずれそこからほころびが生じがちです。
そして重要なのが「報酬の分配」です。お金のことは揉め事の最大の原因になりがちなので、最初の時点できっちり決めておくようにしましょう。
③コミュニケーションを密にする
長い付き合いの友達だと「あえて言わなくても分かるよね?」という甘えが生じます。
他人であれば懇切丁寧に説明しすることでも、友達同士であるがゆえに怠ってしまうこともありますが、それが積み重なると誤解やほころびに発展します。
友達だから理解してもらえていると過信せずに、些細なことでもきちんと説明したり、報告・連絡・相談をしてコミュニケーションを密にすることで、気持ちや考え方のすれ違いを少なくすることができます。
特に事業に関する目標やビジョン、理念といった部分は、経営の根幹をなす部分でもあるので、二人できちんと共有し、認識のズレが無いようにしましょう。
④甘え過ぎない
本来であれば一人でする起業を、友達と一緒にするからには、ひとりでやるよりも最低2倍の結果を生み出さなければ意味がありません。
しかし、やりたくない仕事や苦手な分野は相方に押し付けて、自分は楽をしようとしたり、手を抜いたりするようなやり方は良くありません。
頼れる人・助けてくれる人がいると、どうしても甘えが生じてしまうものですが、そこは自分を律していきましょう。
⑤相手を尊重・信頼する
二人で始めた事業が破綻するきっかけの多くは「相手への不信感」があります。
「自分の方が頑張っている」と思い始めたら、相手の仕事のやり方や報酬の分配などに不満が募ってきます。
そして、事業が思い通りに進まなかったり売上が伸び悩んだり失敗が続いたりすると、相手にその責任を押し付けがち。
相手を尊重できなかったり、信用できなくなったら、その関係は終わりでしょう。
もちろん、事業を進めて行くうちにお互いの意見が異なったり対立することがあるかもしれません。
でもそんな時に、友達でなければ単なる言い合いになってしまいますが、信頼のおける友達同士であれば意見を言い合っても最終的にすり合わせができたり、どちらかが譲歩して意思決定をすることができるのです。
相手を尊重しつつ、ビジネスのパートナーとして信頼を寄せることが、事業を長く続けられるポイント。
でも、そのためには①~④ができていることが条件になるでしょう。
起業を失敗させないためのコツを解説した記事はこちらです!
友達との起業を考えている女性へ
「友達との起業は上手くいかない」という言い伝えは、確かに当たっている面があり、それは「友達だから」という甘えや慣れ合い、過信から生じるものがほとんどです。
一方で「友達だからこそ上手くいく」という部分もあります。
友達の存在が心のうえでも業務のうえでも支えとなって頑張ることができるうえ、自分に足りない部分を補ってくれるのであれば、事業の成長スピードも格段にアップします。
ただし、事業を始める時に「誰かと一緒に起業したい」と思う場合、その多くは「ひとりじゃ不安」であったり「自分ひとりでは自信が無い」という思いが背景にあります。
そんな場合、事業経営において自分の苦手な部分や不得意な部分を補ってくれて、精神的に支えとなってくれるビジネスパートナーを探す必要がありますが、それが友達がベストだとは限りません。
友達との起業を検討している方は
・なぜその友達と起業するのか
・その友達との起業はひとりで起業するより成長できるかと思うか
・起業に対する熱意や想い、考え方は一緒か
といったことを事前によく考えてみましょう。そして友達ともそれらについてよく話し合いましょう。
多くの場合、友達との起業が破綻した時には友達関係も同時に失ってしまいます。
大切な起業の夢と友達とを一緒に失うのは大きな痛手です。
そうならないためにも慎重に検討したあとに起業しても遅くはありません。
起業のパートナーに悩んでいる方はこちらの記事も参考にご覧ください。
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