起業時に気をつけたい法律:「消費者契約法」と「特商法」

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私たちが生活するには様々な法律に従わなければなりません。

同じように、起業したら守らなくてはいけない法律がいくつもあります。

ながた

ビジネスに関係する法律がたくさんあります。

そこで今回は、起業する方にとって関係のある法律のうち、「消費者契約法」と「特商法( 特定商取引に関する法律 )」についてお伝えします。

こんな方におすすめの記事です

・起業する際に気を付けなければいけない法律にどんなものがあるのか知りたい方
・ビジネス経験が浅い方
・ECサイトを運営している、運営する予定のある方

許認可について知りたい方はこちらの記事をご覧ください

目次

起業に関係する法律:消費者契約法

生活の様々な場面において法律が関わってくるのと同じく、起業やビジネスを行うとなれば、それ以上に様々な法律が関わってきます。

まず、一般のお客様に対して商品を販売したりサービスを提供する方は、売買契約を行うことになるので「消費者契約法」が関係してきます。

消費者契約法について消費者庁のサイトには以下のように書かれています。

消費者が事業者と契約をするとき、両者の間には持っている情報の質・量や交渉力に格差があります。このような状況を踏まえて消費者の利益を守るため、平成13年4月1日に消費者契約法が施行されました。同法は、消費者契約について、不当な勧誘による契約の取消しと不当な契約条項の無効等を規定しています。(後略)

引用:消費者庁ウェブサイト

ざっくり言うと、消費者は弱者なので、消費者にとって不利な契約を結んだ場合は、その契約の「取消し」ができたり、不当や契約は「無効」になる、という法律です。

具体的には

  • 事実と違う説明をして買わせる
  • 不確かなことを「絶対」とか「確実です!」と説明する
  • 契約するまで居座ったり、お客様を帰さない

といった行為が該当します。

お客様の喜ぶ商品やサービスを提供したいと考えてビジネスを始める場合には、それほど心配することはありませんが、基本的な考え方だけは理解しておくと良いと思います。

起業に関係する法律:特定商取引に関する法律

消費者契約法と似た法律で、消費者の利益を守ることを目的とした法律が「 特定商取引に関する法律 」です。

具体的には、訪問販売や通信販売など、消費者トラブルが起きやすいサービスに対して、事業者が守るべきルールと、消費者を守るためのルールを定めています。

この法律が対象となるのは以下のビジネスです。

・訪問販売
・通信販売
・電話勧誘販売
・連鎖取引販売
・特定継続的役務(エステや語学学校、学習塾など7つ)
・業務提供勧誘販売取引
・訪問購入

このなかで、起業する女性に多く該当するものが多いのが「通信販売」「特定継続的役務」です。

それぞれについて解説します

通信販売について

まず、「通信販売」ですが、昔ながらのカタログでの通販も含め、インターネットでの通信販売(ネットショップ・ネット販売・ネット通販)をする方が該当します。

ネットで販売をする際に守らなくてはいけないルールや表示について、詳しくは下記のサイトに記載されていますので、始める前に確認してみましょう。

特定商取引ガイド:インターネットで通信販売を行う場合のルール

特定商取引法ガイド:通信販売広告について

まず、ネットショップを開業する場合は、「特定商取引法に基づく表記」というページを作成して以下を表記しなければなりません。

  • 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
  • 代金(対価)の支払い時期、方法
  • 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
  • 商品若しくは特定権利の売買契約の申込みの撤回又は売買契約の解除に関する事項(その特約がある場合はその内容)
  • 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
  • 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該販売業者等代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名
  • 申込みの有効期限があるときには、その期限
  • 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容およびその額
  • 商品に隠れた瑕疵がある場合に、販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
  • いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
  • 商品の売買契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件
  • 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときには、その内容
  • 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
  • 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス

色々とありますが、女性でネットショップをされる方のなかで注意が必要なのが
事業者の氏名(名称)
住所
電話番号の表示義務
です。

本名はもちろん、自宅の住所や電話番号をサイトで公開するのは嫌、という女性は多いのではないでしょうか。

だからといって、以下のようなことをしていませんか?

本名ではなく、作家名で載せる
・名前は載せずに屋号だけを記載する
・住所の具体的な番地を掲載しない
・電話番号を載せない

・販売ページには掲載せずに、別のサイトへのリンクを貼ってそこで記載する

これらはすべて違反となります!

個人事業主の場合は、戸籍上の氏名または商業登記に記載された商号でなければいけません。

住所は番地の省略は認められません。

部屋番号まで表示することが求められます。

そして、実際に活動していない私書箱などの住所のみを表示することも認められていません。

小さいお子さんがいるママの場合や、女性の一人暮らしの方などは住所や電話番号を公開するのが不安という気持ちも分からなくはありません。

でも自分がお客様の立場だったらどうでしょう?

私だったら住所も電話番号も名前も書いていない人のサイトでモノを買おうとは思いません。

検索にひっかからないように名前や住所を画像で表示するといった対応策などもありますが、起業してきちんとネットショップで稼ぎたい!と思うのであれば、正しい表示をすることも必要ではないでしょうか。

そして、きちんと稼いで法人化して、会社名と法人の登記住所を表記する、というのがまっとうなやり方だと思います。

特定継続的役務 について

次に、特定商取引法のうち「特定継続的役務」について説明したいと思います。

継続的役務という名前の通り、長期にわたって提供される (=継続的) サービス(=役務)で、なかでも契約額が高額になりやすいものを規制しています。

【特定継続的役務が対象とする7つのビジネス】
・エステティック
・美容医療
・語学教室
・家庭教師
・学習塾
・結婚相手紹介サービス
・パソコン教室

それぞれ、期間と金額が決まっていて、エステであれば、1か月以上で5万円を超える契約が指定されています。

そして、

・書面の交付
・誇大広告などの禁止
・禁止行為
・契約解除(クーリングオフ)

などが定められています。

女性の場合、エステの開業や、英語教室や学習塾、結婚相談所などの分野で起業する方が多くいらっしゃいますね。

まずは自分が特定継続的役務に該当するかどうかを確認してみましょう。

例えば、「ネットで行う英語レッスン」であっても、契約期間が2か月以上で5万円を超える料金であれば該当します。

また、半年間使えるチケット制のエステで10万円の契約、というのも該当します。

該当するサービス事業者である場合は、

  • 概要書面、契約書面の作成
  • 契約後8日間のクーリング・オフ
  • 契約後8日過ぎたとしても中途解約
  • 要望があった場合に決算書の閲覧

といった準備を整えておく必要があります。これは起業前に必ず準備しておきましょう。

詳しくは下記のサイトに記載がありますので参考にしてください。

まとめ:ビジネスに関連する法律に注意を払おう

今回は女性が多いビジネスに関りが深い2つの法律について、主な内容をご紹介しました。

起業や独立、開業を考えた時には、この二つをはじめ、関係する法律が多岐に渡っているということを知りましょう。

今はネットで法律の概要について簡単に知ることができますし、細かい部分などで分からないことがあった場合は、それぞれの担当行政の窓口などに質問&問い合わせすることもできます。

自分自身ですべての法律について知っておく必要はありません。

餅は餅屋ですので、分からない場合に頼れる専門家や相談先を持っておく、ということも大切です。

起業してビジネスをするのであれば、「知らなかった」では済みません。

知らないままでうっかり法律違反をしないように、ぜひ関心を持って自分で調べるなどの行動をとりましょう。

表示に関する法律の解説はこちらの記事をご覧ください

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